【福岡】九州7県の卸組合理事長らが一堂に会し、懸案問題について協議する全九州卸売酒販組合協議会(栢正一会長)の第45回通常総会が6月9日、福岡市の八仙閣であり全議案を可決承認した。任期満了に伴う役員改選では会長に栢氏(福岡県理事長)、副会長に池田正三郎氏(熊本県同)、中山義一氏(長崎県同)、本坊松一郎氏(鹿児島県同)を再任。定例開催の全九州卸売酒販業者大会は、今年は9月21日、長崎市での開催が決まっており、実施計画についての説明もあった。
当日は全九州協議会に先立ち、全国卸売酒販組合中央会北九州支部(栢正一支部長)の通常総代会も開催。卸中央会土屋重義専務理事の中央情勢報告では特に、利益確保が企業存立にかかわるとの考えが強調された。各県市況報告に基づく両会協議は、新取引制度にかかわる市場問題に集中し、自社ガイドライン遵守で利益重視の体質へと経営改善を目指す決意が示される一方、大手量販店をめぐる“特例扱い”、さらにメーカーの頭越し取引が公正市場の醸成を妨げているとして、不信感をあらわにする発言があった。
支部総代会の冒頭、あいさつに立った栢支部長は「新取引制度によって収益が改善したが、帳合い変更などで波乱気味になってきた」として、卸経営がいまだ岐路に立つ情勢を指摘。両会協議では、「全国系GMSの現状の店頭価格と、生産価格の幅を見ると、ガイドライン自体がナンセンスという感がある」「(ガイドラインを)守れば守るほど売り上げ、経営ともに厳しくなる」「輝かしい希望ある制度だと思っていたが、厳しい現状がある」など、新取引制度の公式見解としての成果と、現実の乖離(かいり)が浮き彫りになった。「卸を無視した頭越しがあり、大手量販店にリベートらしきものが出ている」と、メーカーへの不信感も示された。チューハイのオープン価格化へも、同様の事態が予想されるとして、市場問題の新たな火種になるとの懸念が示された。
酒税改正にあたり、「本来消費者が負担するべき酒税なのに、適正転嫁されていない。実際には、納入卸業者が税金賦課価格を拒否したのではないか」などの疑問も呈された。
卸業者が動揺やあきらめの中にある実態も吐露された。「ガイドラインをもぐって、少しずつ量を出そうという動きが出てきた」「売り上げ1兆円規模の超ビッグと、20億円規模の超スモールしかなくなることが市場原理だとあきらめながら日々商売している」。ある全国系卸関係の出席者は、し烈な競争が余儀なくされる情勢を指摘。「ドラッグストアをはじめ、売価が納価と連動しない異業者が台頭している」と語った。
新取引制度導入以前へ後戻りしそうなすう勢に対し、「納価上げできない大手卸の方が厳しいのではないか」「毎年、全九州卸業者大会を開催してきた伝統を大切に、問題解決していかなければならない」と訴える発言、その大会決議の実現を強く中央会、国税庁へ働きかけるべきだとの声も上がった。