
【熊本】愛してますか、熊本の酒を。知っていますか、熊本には全国に誇る日本酒と焼酎があることを--。県下25店の酒販店がそんな問いを抱き、地元の消費者に県産酒を楽しんでもらう酒会「第1回くまもとの日本酒・焼酎を楽しむ会~愛してますか?くまもとの酒の夕べ」を6月4日、熊本市内のホテルで開いた。
趣旨に賛同し出展した蔵元は、県下のほぼ全メーカー30社。約100種の日本酒、焼酎が揃い、蔵元との会話を楽しみながら“地の酒”を存分に楽しむ来場者でにぎわった。同地ではこれまで、酒造組合主催の県産酒を楽しむ会や、個々の酒販店が主催する全国の酒を楽しむ会が催されてきたが、複数の酒販店が連携し県産酒をアピールする酒会を開いたのは初めて。酒会が起点となり、今後県内の造り手と売り手が連携を深めていくことも期待される。
主催は、今回の酒会開催に賛同の県下25店の酒販店でつくる「熊本の酒推進委員会」(後援=熊本酒造組合、球磨焼酎酒造組合、協力=熊本小売酒販組合)。酒会の会費は5000円で、当初250人の入場を予定していたが、たちまち売り切れ追加発券。最終310人が来場した。出展酒は、伝統的な熊本の流儀で仕込んだもの、主に県産米を使用したもの、日本酒については主に熊本酵母で仕込んだものなどを求め、県産ならではの日本酒、焼酎を紹介した。
「熊本は左党にとって、日本酒と焼酎の文化を共有する恵まれた地域」とは主催者の弁。日本酒醸造の南限であり、熊本酵母(協会9号酵母)誕生の地。焼酎は、500年の歴史があり地理的表示の指定も受ける米製・球磨焼酎に代表される地であり、独特な文化もはぐくまれてきた。
酒宴終盤、会加盟の若手酒販店が登壇。「地元の素晴らしい日本酒、焼酎が地元の方々にはまだまだ伝わっていないのが現状ですが、皆さんには是非熊本の酒の応援団になってご指名ご愛飲いただきたい」と訴えた。「熊本の酒愛してますか」との問いかけに、来場者から一斉に「愛してます」との声が返り、シュプレヒコールを重ねた。
「--推進委員会」代表の田尻幸史さん(熊本市「たちばな酒店」)は、「生販3層が対等の立場になってこそ、メーカーさんは品質重視の挑戦ができるし、われわれはお客さんから喜ばれ信頼される商いができる」と語る。出展蔵元の一人は、酒会を画期的なものだったと評価する。「熊本の風土にはぐくまれてきた熊本の酒を、地元の人に愛飲してもらうということは、ごく自然なことだが、一番むずかしいことでもある。その一点で今回、酒販店さんがまとまって、今までになかった一歩を踏み出した意義は、本当に大きい」。