鹿児島の復活蔵「なかまた」 酒販店の支え求め奔走

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  【鹿児島】県産芋焼酎の新ブランド「なかまた」--。特約酒販店に販売をゆだねる限定流通の商品で、販売網づくりへと今、復活蔵が奔走している。社長は今年の春先から数カ月を、酒販店を訪ねる長期出張で過ごした。

 錦江湾を抱きながら大海へとのびる薩摩半島のその突端、指宿市で昨春、一軒の焼酎蔵が復活した。創業明治37年の中俣合名会社(「養老」醸造元、指宿市西方4670番地、大山隆樹代表社員)。自醸が叶(かな)わなくなり休止していた蔵を、新蔵並みに大改修し醸造のための設備を整えた。何よりも、笠沙町出身の黒瀬杜氏、焼酎造り55年の黒瀬勉氏を迎えるという幸運に恵まれた。

 いわば、製麹から仕込み、蒸留、濾過、貯蔵と焼酎造りの全工程に熟練の技を込めた「なかまた」。大山代表は、「半世紀の焼酎造りの集大成、究極の甘さをきっとごたん能いただける」とアピールする。「(消費者からは)これまで以上に味の中身、そこへの蔵のこだわりが求められている」との意識が強く、こだわりの価値を消費者へと伝えるには、酒販店との密接な関係が不可欠との考えだ。

 基本的に、原料芋は地元南薩摩産の黄金千貫を主に、生芋のみ、1次を甕で、2次をホーロータンクで仕込む造り。今期は芋焼酎だけで約1000石を醸造する計画だ。年間販売量は、「なかまた」をはじめ、「特撰 濵崎太平次」、「養老伝説」、「同(原酒)」の主力4銘柄をメインに、約700石を目指している。

 酒販店とのパイプを創り、強くする核となる「なかまた」(税込み希望小売価格1・8L2800円、720ML1580円)はアルコール度28度。河内黒麹菌ゴールドを使い、南薩の黄金千貫で仕込み、常圧蒸留。無濾過に近い状態での仕上げ、さらに貯蔵酒ブレンドで甘みを増した。「黒麹ならではの深い味わいを保ちつつ、のど越しまろやかで甘い香りが楽しめる」。芋の風味に由来する“甘口の焼酎”は蔵元の得意分野でもある。

 「なかまた」の特約酒販店数は当面、50店~70店が目標。大山代表は、ブーム下の追い風が、逆風ともなる環境変化を予想する。「今後は、いい焼酎がどんどん出てくる。だから妥協を許さず品質第一を貫くことがますます重要になる。大量生産・大量販売を望まず、消費者から信頼いただける、酒販店さんに自信をもってお勧めいただける商品づくりに専念したい」。真の復活は、酒販店との関係構築にかかっているように見える。

(掲載日:2006年06月08日)

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