
【福岡】蔵を満たす甘い苺(いちご)の香り--。清酒「若波」醸造元、若波酒造(大川市、今村壽男代表)で今年も苺のリキュール「苺のお酒・あまおう」の仕込みが行われた。
5月19日、初仕込み。地元大川で生産された朝摘みの新鮮な苺200kgが運び込まれ、蔵人総動員でヘタをとったみずみずしい果実が、本格麦焼酎400Lの中へ投入される。想像以上に苺の使用量は多く、瞬く間にタンクは鮮やかな真紅に染まる。使用する苺の品種が、酒名にもなっている「あまおう(博多あまおう)」だ。JAふくれんが登録商標を持つ、福岡県が今一押しの逸品。県内JAのみの栽培で、特産品ブランド化の一翼を担う苺は、大粒で果実の中まで赤い。香り高く、コク・甘味・酸味のバランスも良く、高級品として市場で高値取引されている。今年は、このあまおうを昨年の3倍、約1t仕込み、300ML換算約1万本の商品化を予定している。
苺のエキスを焼酎へと溶け込ませる期間は2週間程度。仕込み時の焼酎のアルコール度数は25度だが、苺から出る水分、エキスによって、仕上がり時には14度になるので、割り水なし、ほとんど無濾過の状態で苺の色調も損なわず商品化される。酒に加えるものは、国産のはちみつと氷砂糖のみ。着色料などの添加物は一切使用せず、苺本来の色、香りを生かす。特にはちみつは、地元八女市、九州蜂の子本舗のれんげのはちみつを使い、苺の甘味を優しく引き出す。はちみつには退色を抑える働きもあるという。苺の風味を抱いたリキュールは、そのままロックで、また相性のいいミルクで割っても楽しめる。
商品の発売は6月以降。希望小売価格は300MLびん詰品で840円(税別)に設定予定。初めて商品化した昨年は、約3300本を地元中心に販売したが、今年は首都圏の百貨店などへもアプローチする考えだ。
同社は昨年4月リキュール製造免許を取得。今後、その年に仕込んだ梅酒の発売も予定している。今村代表は、「健康志向の中でリキュールは一層支持されていくだろうし、当社の活路にもなる」と話す。