【広島】独立行政法人・酒類総合研究所主催の平成17酒造年度全国新酒鑑評会の公開きき酒会が5月25日、東広島運動公園体育館で開催された。
今年の鑑評会には、第Ⅰ部(山田錦以外の米を使用)に98点、第Ⅱ部に899点の合計997点の新酒が出品され、4月25日から27日の3日間で予審が、5月10日から11日の2日間で決審が行われ、入賞酒508点、金賞酒253点を選出した。
5月25日に行われた記者会見の席上、同研究所・分析評価研究室の中野成美室長は、今年度の審査方法について、「約5年かけて品質評価方法を改良してきており、今年度は世界的な傾向にあわせてより分析的なものにした」と述べた。また、次回以降の公開きき酒会について、「日本酒造組合中央会との共催になる。まだ、正式に話し合いは行われておらず、開催地など具体的な決定事項はない。中央会は公開きき酒を東京で開催したいとしているが、当研究所としては引き続き広島で開催してもらいたいと思っている。しかし、共催になると当研究所は分析・評価が主になり、中央会が主に公開きき酒を担当することになるだろう」と話し、次回以降も広島開催を訴えていくものの、東京開催が濃厚であるということを示唆した。
審査講評(要旨)は次のとおり。
今期は、全般に酒造に適した寒冷で安定した気候に恵まれた。特に、降雪地帯では降雪が多く、寒冷で清冽な環境だった。原料米の作柄も台風の被害を受けた九州地方を除き良好で、米質もばらつきが少なく充実したものとなった。
出品点数は、前年より22点少ない997点だった。山田錦以外の酒造好適米などの特質を見るために設けた第Ⅰ部は昨年と同じ点数で、出品点数の減少は、第Ⅱ部の減少が要因だった。
出品酒の酒質は、良好な酒造条件に恵まれ、各製造者が技術の粋を存分に発揮した結果、全般に香味の調和した甲乙のつけがたいものだった。特に、充実した原料米により、順調に低温発酵が行われた結果、香り高く、軽快で淡麗な酒質のものが目立った。
また、例年同様、香りについては、さまざまな清酒酵母の特徴を生かした酒質の多様化・個性化が認められ、上立ち香の豊かなものからおだやかな芳香が口中に上品に広がるものまで変化に富んでいた。味についても、豊醇で重厚さを感じさせるものから淡麗ですっきりしたタイプのものまで幅広く多様だった。
山田錦以外の原料米を使った出品区分の第Ⅰ部については、第Ⅱ部のふくらみのある山田錦の酒とは異なり、すっきりとした切れの良いタイプの酒質になる傾向があった。今後とも新しい酒造好適米が各地で開発され、日本酒の多様化が進むことが望まれる。
今回出品された吟醸酒は、良好な酒造条件の下で、原料処理から、麹造り、醪の発酵管理、製成に至るまで細心の注意が払われて製造された個性豊かな高品質の清酒。今後、貯蔵管理および流通での取り扱いが適正に行われ、消費者の人々にも、その優れた香味を十分に堪能してもらえるよう、清酒の消費拡大のけん引車となるべく、関係各位のさらなる努力をお願いする。