全国小売酒販組合中央会(藤田利久会長)は5月18日、第53回通常総会を開き、平成17年度事業報告、同年度決算報告などを承認するとともに、酒販年金関係の回収・清算対応経過報告を承認したあと、今後の年金対応案(平成18年度対応)を賛成多数で可決した。対応案の中では、中央会と年金被害者とで「年金加入員団体(仮称)」を立ち上げ、今後、返還および清算事業資金の運営管理を行うことを掲げた。
総会は、藤田会長が冒頭のあいさつの中で、「酒販年金資産の144億円にのぼる海外投資の回収に向けて努力しているが、総費と大変な努力をしており、いよいよ本丸に攻め込む努力をしつつある。一方、酒販店を取り巻く厳しい環境の中での酒販業界の安定施策の構築を図らなければならない。本日の総会では、今後の酒販年金問題対応案を承認していただきたい」と要望した。
議案審議は、八巻山梨県連会長を議長に、▽平成17年度事業報告▽同年度の部門別収支計算書・貸借対照表・財産目録、剰余金処分案▽平成17年度不動産部門別損益計算書・貸借対照表・財産目録、剰余金処分案▽年金精算に係る資産状況と支出明細▽年金調査・回収・清算対応経過報告--を承認した。
17年度事業報告の審議の中で、脇副会長は「国が決めた酒税改正で、第3のビールの酒税増税を大手スーパーがしないのは、非常に問題であり、これでは、中小酒販店は影響を受けて困る」と指摘し、年金担当の四十万副会長は「年金資産の回収問題は大変深刻で、手を抜けない。この1年間でも回収されておらず、誠に申し訳ない。責任追及を続けている」と釈明した。
会員からの主な意見、要望として、「酒類販売管理制度は、講習を受けた者はすべて組合に加入するよう法改正すべきだ」「今年度酒税改正で、第3のビールが4円増税となったが、大手スーパーは値上げしなかった。行政はきちんと指導せよ。酒販業界にとって一番大事なのは市場安定だ」などがあげられた。
これに対し藤田会長は、「酒類販売管理制度は、行政とも相談して、実り多い改正をしたい。スーパーが第3のビールの増税分を値上げしない問題については、酒税をまけることはまかりならぬ、と行政指導するよう国税庁に要望した」と答え、四十万副会長は「酒類販売管理研修制度は、組合加入への求心力としたい。組合に入りやすい制度とすべきだ。行政も、研修を受講していない人を勧誘してもらいたい」と述べた。
酒販年金の回収等の問題について四十万副会長は、「年金資産の回収のためのエスクロウ・アカウントの創設には3千万円もかかる。投資を受けたのは、作意的、不注意であって、回収は非常に難しいが、いくつかの問題点が出てきて、何とか回収の糸口が示されている。年金資産の回収は、費用と効果の問題で、可能性のあるところにかけるということが現状だ」との説明にとどまった。
藤田会長は「資産の回収は、費用をかけて効果が上がらないのではいけないが、回収の方策は十分に考えていく」と述べた。
なお、会員からの「酒類小売業者の経営改善緊急措置法」の再延長についての質問に対して藤田会長は、「近々のうちに今後の対応を検討することになっている。東京小売酒販組合理事長としては、政治に要望をしている」とコメントした。
また、同日の総会には、東京、神奈川、埼玉、千葉など各県の「関東酒販年金被害者連盟」の酒販店多数が参集し、「年金資産の回収」についてチラシを用意しアピールをした。