国税庁鑑定企画官室は11月18日、平成16年度(16年7月~17年6月に実施)における清酒、焼酎乙類、果実酒についての市販酒類の成分などを調査した結果をまとめた「全国市販酒類調査」の概要を発表した。
清酒の調査方法(サンプル抽出)は、各都道府県ごとに課税移出数量などを参考として、いくつかの清酒製造者の主力製品を中心に抽出した。全サンプル数は、一般酒451点、特定名称酒939点(吟醸酒339点、純米酒295点、本醸造酒305点)。清酒関係の調査結果は次のとおり。
特定名称酒(吟醸酒、純米酒、本醸造酒)以外の一般酒と特定名称酒に分けて調査した。
<一般酒の成分など> (1)アルコール度=年々低下傾向にあるが、今年度は前年度よりやや増加した。
(2)日本酒度=年々高くなる(辛口化)傾向にあるが、今年度は昨年並みとなった。都道府県別で日本酒度が比較的高い(辛口)のは、富山と高知で、逆に、比較的低い(甘口)のは、佐賀、長崎、大分。
(3)酸度=これまで年々低下傾向にあったものの、ここ数年微増しているが、今年度は昨年並みとなった。都道府県別で酸度が比較的高いのは、千葉、東京、神奈川、山梨、高知で、逆に、比較的低いのは、群馬、新潟、富山、福井、長崎。
(4)アミノ酸度=年々低下傾向にあるが、今年度は増大した。都道府県別でアミノ酸度が比較的高いのは、岩手、岐阜、島根、福岡、佐賀で、逆に、比較的低いのは、長野、三重、大阪、愛媛、宮崎。
(5)甘辛度・濃淡度=甘辛度と濃淡度は日本酒度と酸度から計算できる味の指標。都道府県別の甘辛度・濃淡度で、甘口タイプなのは、北海道、滋賀、長崎、大分、辛口タイプなのは、千葉、東京、神奈川、岐阜、鳥取、島根、香川、高知。また、濃醇タイプなのは、千葉、東京、神奈川、山梨、愛知、佐賀、淡麗タイプなのは、山形、群馬、新潟、富山、福井、静岡、長崎。
(6)原料区分の経年変化を見ると、以前は醸造用糖類を使用して製造されたものが主流だったが、平成6年以降は醸造用糖類を使用しないで製造されたものの割合が上回っている。
<特定名称清酒の成分など>(1)アルコール度=吟醸酒が純米酒や本醸造酒よりやや高くなっているが、経年変化では、一般酒と同様に減少傾向。
(2)日本酒度=一般酒に比べると、各特定名称酒でいずれも高く(辛く)なっている。経年変化では、各特定名称酒の度数の差が小さくなる傾向。
(3)酸度=一般酒と比べると、吟醸酒と本醸造酒の酸度はあまり変わらないが、純米酒はやや高い結果となった。経年変化でもこの傾向は変わらないが、今年度は吟醸酒の酸度が低下した。
(4)アミノ酸度=一般酒と比べると、吟醸酒と本醸造酒はあまり変わらないが、純米酒はやや高くなった。経年変化では、吟醸酒と純米酒は増加傾向にあるが、本醸造酒はほぼ横ばいに推移した。
(5)甘辛・濃淡度=甘辛度は、一般酒と比べると、各特定名称酒でいずれも辛口の傾向で、特に純米酒の辛口傾向が強い。濃淡度は、一般酒と比べると、各特定名称酒でいずれも濃醇の傾向で、特に純米酒が濃醇傾向が強い。
(6)吟醸酒の香気成分=香気成分の経年変化を見ると、バナナ様の芳香がある酢酸イソアミルは平成8年度に大きく低下した以外はほぼ横ばいで、今年度も大きな変化はなかった。また、リンゴ様の芳香があるカプロン酸エチルは、昨年度は大幅に増大したが、今年度は低下した。
<容器の容量と種類>容器の容量と種類は、その酒のイメージに影響するもので、一般酒と特定名称酒とで違いがある。吟醸酒では720MLびんが3分の1程度を占めているが、それ以外の清酒では1・8Lびんがほとんど。また、吟醸酒と純米酒では緑色びんがほぼ半数を占めているが、本醸造酒と一般酒では茶色びんがほとんど。