鳥取で卸組合と公取委が懇談、公正な取引環境の構築を

 【鳥取】鳥取県卸酒販組合(足立統一郎理事長)は8月22日、県内の卸売事業者を集めた会議で、公正取引委員会から講師を招いて講演や質疑応答を行った。

 この会議は、昨年、ビールメーカーが相次いで発表した新しい取引制度などへの対応や公正な取引環境の構築を目的に昨年末から行政、メーカーらを交えて開かれているが、公取委が招かれたのは今回がはじめてとなる。会議には、広島国税局から大上厚男酒類業調整官(松江派遣)、鳥取税務署の中野慎治酒類指導官らも同席。県内各エリアから状況が報告され、その対応策などが検討された。

 公取委・近畿中国四国事務所中国支所の的場敏文総務課長は、酒類業界に関連した公正取引問題について講演し、公取委が扱う独占禁止法、下請法、景品表示法の3法を解説。

 独占禁止法「不公正な取引方法の禁止」については、特に業界に関連するとして詳細を説明した。その中で「酒類業界は規制緩和によって至上原理や民間活力を取り入れようとする流れにある。酒類業界は大変厳しい環境下にあるが、もう一度規制の下に置かれるかといえば、それはないだろう。どの業界もそうだが、単に安価なものを提供すればいいということだけでなく、公正な競争が維持できる価格で販売しなければならない。特に酒類は税金に寄与している。国税庁も公取委としても、公正な価格で販売、競争してもらいたいと思っている」とし、酒類業界が関連する不公正な取引事例として一般指定されている「不当廉売」「差別対価」を挙げ、「不当廉売」については、「“1”赤字価格を“2”継続的に販売し“3”ライバル企業の経営が困難になる--場合、独占禁止法違反になるおそれがある。これが1つ欠けていても警告などに該当する」と解説。

 また、「差別対価」は、「メーカー、卸など、得意先との取引の中で、販売価格に差を設けているが、合理的、正当な理由がなく、何かの目的を持って設定されていれば差別対価に該当する。日本には昔からリベートという制度があるが、不透明なリベートはいけない。リベートは取引を開始するときに明確に設定していてもらいたい」と強調した。

 講演終了後、質疑応答を行い、その中で「同じエリアに個人店舗とチェーン店があると、チェーン店に対する価格の方が低くなってしまうが、これは差別対価になるのか」との質問に、「最終的には確認してみないと分からない部分がある。チェーン店はFCに加盟しているから安くなっているという「正当な理由」と、「公正な競争を阻害する」を天秤にかけて、「公正な競争を阻害する」が重ければ、それは『不公正な取引方法の禁止』に該当する」とし、個別事案については公取委へ積極的に相談してもらいたいと話した。

(掲載日:2005年08月31日)

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