【広島】独立行政法人・酒類総合研究所で6月24日、第28回本格焼酎鑑評会の結果発表と公開きき酒会が開催された。
今年は33都道府県の136場から335点が出品され、出品数では、前回の280点に比べて55点の大幅な増加となった。今年は、甘藷、麦原料の黒麹仕込みの出品が増えたほか、原料では、菊いも、梅の種、しそ、レタスが初めて出品された。
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審査は6月2、3日の両日、酒類総合研究所理事長が選任した学識経験者、製造・販売関係者、公設醸造指導機関および国税局の技官、同研究所職員などで構成された32人の審査員によって行われた。
今年は、33都道府県の136場から335点が出品され、場数では8%、点数では20%、昨年を上回っており、焼酎の好調さを反映した形となった。
原料別で見ると、泡盛、酒粕の出品は減少したものの、米、麦、甘藷、その他の原料が増加。特に、甘藷、麦、黒糖の増加が著しかった。また、今回の特徴として、甘藷、麦の黒麹仕込みがかなり出品されていた。また、菊いも、梅の種、しそ、レタスが初めて出品され、注目を集めた。製造区分別では、伝統的な香味を重視する「常圧蒸留区分」の出品は、114点で前回と比べ43%の大幅な増加となった。また、酒質の軽快さ、飲みやすさを重視した「減圧蒸留区分」も155点で15%の伸びを示した。「特殊製品区分」で出品の66点中、樽貯蔵酒は36点で前回と比べて38%の増加となった。産地別では、主産地である九州、沖縄から212点の出品があり、全体の63%を占めた。
会見を行った酵素工学研究室の三上重明室長は、「近年の市場の動きと同様に、出品も増加傾向にある。審査の結果は出品者にフィードバックするが、高度な分析器を導入し、これまでの10成分から30成分ほどに増やし、中小規模の蔵では検査することが難しかった成分値までフィードバックすることができるようになった」と述べた。また、「業界からの要望があれば、公開きき酒を東京で開催することも検討する」と清酒同様、広島開催にこだわらない方針も明らかにした。
同研究所が発表した「酒質の傾向と今後の課題」は次のとおり。
焼酎乙類の酒質は、近年、飲みやすさを追求して淡麗で軽快なものが主流になってきており、今回の出品酒においてもその傾向が続いていた。米および麦製の主力製品は、品質が揃っており綺麗で欠点のないマイルドなタイプが多かった。今回は、泡盛の常圧蒸留製品の香り、味、総合評価の平均点がいずれも良好であり、芳香、味丸い、適度な甘さという特性のものが多く見受けられた。また、酒粕製の減圧蒸留製品、泡盛の常圧蒸留製品および米製の常圧蒸留製品の原料特性が高いという傾向が認められた。
前回と同様に、減圧蒸留製品中に個性的なものがある一方で、常圧蒸留製品中にも綺麗で飲みやすいものが散見され、減圧蒸留製品と常圧蒸留製品の酒質が近づきつつあるという傾向が認められた。いずれの蒸留法においても、品質の多様化が進行しているものと思われる。
長期貯蔵酒などの特殊製品は、貯蔵管理技術の進歩により、香味の調和のとれた高品質のものが多かった。特に、米製およびその他の原料製の特殊製品(樽貯蔵酒を除く)において、その傾向がかなり顕著に認められた。
一方、樽貯蔵酒の一部には原料特性が失われたものが見受けられ、減圧蒸留原酒の場合、貯蔵年数にもかかわらず香味の熟成が進んでいないものが散見された。したがって、長期貯蔵などによる熟成方法に関する研究が今後の課題であると思われる。