岡本佳郎・国税庁審議官は、5月23日に開かれた全国卸酒販組合中央会の通常総会での来賓あいさつで、今後の酒類行政の方向と酒類の公正取引の推進について、要旨次のように語った。
(1)日本経済社会と酒類業界は、人口の減少と少子高齢化などで経済規模が縮小する中で、酒類市場をどう発展させるかを国税庁としても検討している。これまで酒税行政を中心に行ってきたが、今後は「酒類産業行政」に軸足を移してやってみよう、ということで勉強しており、いろいろ措置を講じている。この1年、種々議論し、各国税局なりにできることを実行に移しており、生販三層を通じた酒類業界の発展のために努力している。
酒類全体のパイが小さくなっていく中では、量的な拡大ばかりを追っていても、突破口は見いだせない。やはり、“量から質へ”の転換を図っていくこと、高付加価値のあるもの、利益の上がる取引に移行することが、トータルとして業界の発展、基礎固めに必要だ。量から質への転換を図ってもらうことで、体力の向上につながるようにしていただきたい。
卸業界については、酒類卸売業の経営基盤強化計画で、経営基盤の強化に努力するよう要望したい。その面でも、これからもきめ細かな産業行政を行っていく。
(2)酒類の公正取引の確保は、大変重要だ。1月からのビール等の新取引制度の推進、周知で、現場が苦労していると聞くが、コストオンの考え方や公正取引の必要性が明確にされており、これに取り組んでいるが、この考え方に異論はない。公正取引委員会とも連携して対応する。酒類の安売りが横行している中で、健全な姿を志向することが大事だ。