清酒中央会浅見副会長 “清酒に関する税制”提示

 浅見敏彦・清酒中央会副会長は、5月13日に開催された中央会関信越支部通常総会で、「酒造業界当面の課題」について講演し、「与党の『平成17年度税制改正大綱』で、平成18年度に酒税制度改正の方向が決められたので、清酒業界として、これへの対応を進めており、酒税制度の問題の所在を明らかにし、総合的、戦略的にあるべき方向をしっかりと考え、訴えていきたい。今の酒税制度のように矛盾した、誤った制度は、何としても是正してもらわなければならない。清酒は厳しい現状から減税を、焼酎乙類は増税に絶対反対していく」とした上で、“清酒の税制についての主張”を次にように提示し、今後、政治や財務当局、行政等に対し、清酒業界が酒税改正で訴求する場合に参考に供するよう要望した。

 <清酒に関する税制について>(1)清酒の需要は年々減少を続け、ピーク時の半分以下にまで落ち込み、酒類全体の1割を下回るという極めて厳しい現状にある。

 ①数量はピーク時(昭和48年)の半分以下(平成15年度対昭和48年度は47・8%)。昭和48年度は175万4925KL(974万7000石)だったものが、平成15年度は84万1631(465万9000石)に。また、対前年5%以上の減少が継続、大幅減少に歯止めがかからない状態になっている②シェアはアルコール飲料の中で1割を下回っている(かつてのメジャーの酒も今日ではマイナーな酒)。シェアの変遷は、昭和30年度には36・8%あったものが50年度には28%、平成元年度には15・4%、12年度には9・9%と初めて1割を割り込み、15年度はシェア8・8%に③世界的に見ても清酒の低さは突出している。世界の民俗酒の2001年の数字は、フランスのワインが57・6%、イタリアのワインが62・6%、スペインのワインが30・9%、ドイツのビールが81・1%など。

 (2)酒類市場の激しい価格引き下げ競争により、実質的な酒税負担率は年々上昇し続けており、清酒業者の体力は著しく弱ってきている。いわゆる希望小売価格について、市場実態との乖離(かいり)が極めて大きく、現実の酒税負担ははるかに重いものであることが、業界の強い実感である。さらに清酒業界の企業経営の実態は非常に厳しく、廃業や倒産の陣発による企業数の減少と、債務超過経営等の増加により経営内容が悪化するケースも多い。

 (3)制度的に見ても、清酒の酒税負担は極めて重く、ワインの1・6倍、米の使用量に大きな差のある合成清酒の1・5倍となっており、清酒が酒税の根幹を成し、ビールとともに税収確保のための中心的役割を担っていたころの制度を、状況の全く異なる今日にまで残してしまっている。現在の酒税負担額は清酒720MLが80・92円なのに果実酒は50・73円。清酒1・8Lは252・9円なのに、合成清酒は170・28円。

 (4)清酒は「國酒」として、わが国の文化や伝統を担うとともに、地方文化や地域の社会・経済に深くかかわっているほか、国際価格に比し極めて割高な「米」の消費を通じ、わが国の農業政策にも多大な貢献をしている。にもかかわらず、「米」を節約し、、アルコールの使用を奨励する方向にインセンティブが働く現在の税率は、現在の米消費拡大政策とは全く逆の米消費抑制型の税制であり、今日の日本にとって、極めて不合理な米不足時代や時代の戦時の遺物である税率格差を残したものといえ、何とも時代遅れの税制なので、「聖域なき構造改革」としても、早急に是正することが必要不可欠である。

(掲載日:2005年05月18日)

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