【大阪】サントリーは3月21日、大阪工場内に今年2月誕生したリキュール・スピリッツの生産拠点「リキュール工房」に専門紙記者団を招き、同工房の視察会を開催した。
視察会に先立ち、加藤清一大阪工場長はあいさつを行い、「当工場はサントリーの工場の中でもっとも歴史が古く、1919年(大正8年)に竣工した。そして今年の2月16日、新しい陣容としてリキュールの生産施設を加え、洋酒の工場として本格稼働し、世界有数の洋酒総合工場として生まれ変わった」と同工場を評価した。
また、同工場の概要について、加藤工場長は「『赤玉ポートワイン』の本格的な量販体制のために1919年に建設した。これに加え、昭和初期から蒸溜酒づくりも行い、多彩な洋酒づくりを展開してきた。今回新設した「リキュール工房」は、従来リキュールを製造していた道明寺工場(大阪府藤井寺市)内の機能を大阪工場に移設したもので、新たなリキュール・スピリッツの生産施設として誕生した。リキュール工房には、タイプの異なる蒸溜釜4基を備えており、多彩な自然の恵みと熟練の技術で高品質のリキュールを製造している」と説明した。
続いてリキュールセミナーに移り、冒頭、紀村益男ワイン&スピリッツ生産部専任部長は、「当社では厳選された自然の恵みをもとに、海外から学びそして独自に発展させた匠の技を駆使し、安全性を基本にプロフェッショナルの厳しいニーズを満たす品質を作り出している」と同社のリキュールづくりのスタンスを訴えた。セミナーでは、同工場でのリキュール製法を説明するとともに、桜花原酒、桜葉原酒、抹茶原酒、バナナ原酒の製造法をモニター上映を交えて解説した。
リキュール原酒は、主に“1”蒸溜“2”浸漬の2通りで製造している。蒸溜酒は原料をベースとなるスピリッツとともに蒸溜釜に入れて蒸溜し、アルコール分とともに原料の香味成分を溜出したもの、浸漬酒はベースとなるスピリッツに原料を浸漬し、その成分と香味を抽出したものとなっている。これらの製法を併用することにより、リキュールは完成する。同工場では、ジン、柑橘系には常圧蒸溜の蒸溜釜(銅製)を、バナナ、桜葉には減圧蒸溜の蒸溜釜(ステンレス製)を使用するなど、原酒によりタイプの異なる蒸溜釜を使い分けている。
視察後のあいさつの中で、成地勉大阪第2支社長は、「リキュールの市場は今後有望な市場かと思っている。当社が昨年発売した健康リキュール『マカディア』も好調に推移しており、今年度は昨年の2倍の販売目標を計画している。こうした中で、リキュール工房が完成したことは非常にうれしく感じる。新しいリキュール文化の発信ができる工場になればと願っている」と語った。