沖縄で「泡盛仕次古酒・秘蔵酒コンクール」感謝状贈呈式開催

2019年05月15日

 【沖縄】「泡盛 仕次(しつぎ)古酒・秘蔵酒コンクール」の感謝状贈呈式が4月14日、泡盛全蔵47蔵PRイベント「島酒フェスタ」の会場、那覇市の沖縄セルラーパーク那覇で行われた。ともに昨年に続き2回目。


 琉球泡盛は「黒麹菌を使用し原料である米をすべて麹にし、単式蒸留により得られた原酒を貯蔵・熟成させることを基本とする固有の製造方法をもった世界に誇る沖縄県の銘酒」。地理的表示GI指定により固有の産地ブランドとして世界的に保護されている。

 仕次ぎは日本では唯一、泡盛のみで行われている「伝統的かつ特徴的品質管理方法」。貯蔵年数の長い古酒(クース)の一部を使用(飲用)した際、貯蔵年数の短い古酒等を補填し古酒の品質を維持向上させるもの。

 国税事務所によると現在、泡盛製造業者では仕次ぎがほとんど実施されておらず、専ら泡盛愛飲家・飲食店・小売店等を中心に行なわれ実態が十分には把握できなかった。

 コンクールはそうした現状を打破し「仕次文化の継承発展」につなげるため企画されている。開催目的を「沖縄の伝統的な泡盛古酒熟成方法である仕次ぎの文化的価値を再認識するとともに、経験的科学的に有効な仕次方法を多くの人に伝える」としている。

 以下7団体の共催。▽沖縄国税事務所▽沖縄県工業技術センター▽沖縄県酒造組合▽沖縄県卸売酒販組合連合会▽沖縄県小売酒販組合連合会▽山原島酒(やんばるしまざけ)之会・琉球泡盛倶楽部。国税当局、公的研究機関、酒類生販三層組合、さらに古酒同好の民間グループだ。

 今回出品はのべ71者(実出品者数60者)83点に上った。内訳は▽伝統仕次ぎの部=21者23点▽フリースタイル仕次ぎの部=23者26点▽秘蔵酒の部=27者34点。

 今年2月26・27日に沖縄国税事務所で19人の品質評価員による品質評価会があり、優秀な出品者10者へ感謝状等を贈呈することを決めた。

 昨年12月には那覇市で「泡盛仕次セミナー~古酒を育てよう~」があった。沖縄国税事務所・相澤常滋主任鑑定官は講演「100年古酒を設計しよう」と題した講演を行いExcel活用の“仕次シミュレーター”を提供した。仕次ぎ酒に含まれる貯蔵年数別の割合を見える化し、平均貯蔵年数が算出できる。例えば毎年1・8ℓを楽しみながら100年古酒を目指すにはどの程度の容量の甕が何個必要で、仕次ぎ量は何%ぐらいがいいのかなどの目安になる。

 国税事務所では新たに「泡盛愉しみ方ガイド」も作成。小冊子で泡盛フレーバーホイールも掲載されている。

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 4月13・14日に開催された「島酒フェスタ」は沖縄県酒造組合・沖縄県・那覇市の共催。沖縄国税事務所はもとより、琉球泡盛海外輸出プロジェクトの一環として内閣府沖縄総合事務局などが後援している。沖縄県内47蔵全蔵の泡盛の試飲が出来る一大イベント。コンクールに係り古酒の魅力を伝えるセミナーも開かれた。