本坊酒造 マルス信州蒸溜所のウイスキー生産設備を増強

2019年01月16日

 本坊酒造(本社・鹿児島市、本坊和人社長)がウイスキー製造「マルス信州蒸溜所」(長野県上伊那郡宮田村4752-31)のウイスキー生産設備を増強する。今年5月着工、来年9月竣工予定。「世界中で評価が高まっているジャパニーズウイスキーの需要拡大を受け、将来にわたる安定したモルト原酒の生産確保のため」約12億円を投資する。「成長戦略としてウイスキー事業を強化・拡大し、世界の蒸留酒ビジネスの一翼を担うブランドを目指す」(同社)。

 同蒸溜所(約3万平方m)は1985年竣工。ウイスキー需要低迷期には蒸留休止となったが、ウイスキービジネスが活性化するなか2011年蒸留を再開。14年には蒸溜釜を更新。15年以降は最大稼働日数でモルト原酒の生産を行ってきたが「増産を見据えた樽貯蔵施設の整備、老朽化した設備の改修が必要」と判断した。今回の投資でウイスキー蒸溜棟(樽貯蔵庫含む)1998平方m、ビジター棟650平方mの新設、既存施設及び設備の改修整備を行う。

 同社はウイスキー生産体制の拡充を図るためこれまで、2016年に「マルス津貫蒸溜所」(鹿児島県南さつま市)、「マルス屋久島エージングセラー」(同県屋久島町)を新設している。今回は生産設備増強に加えビジター棟を新設。「マルスウイスキーの魅力をより深くお伝えする生産拠点として地域の観光振興に貢献したい」という。

  ◇  ◇  ◇

 マルス信州蒸溜所は日本アルプス山系、駒ヶ岳の麓、蒸溜所としては日本一の標高798mの地にある。仕込み水は標高3000m級の山々に降り注いだ雨や雪解け水が花崗岩土壌をくぐり天然のミネラル分をたたえたものを地下120mから汲みあげ使用している。清冽な空気・深い霧・雄大な自然林に抱かれる蒸溜所。ウイスキー造りにとって最適な自然環境に恵まれている。