鹿児島大学 「焼酎マイスター」6期生が修了、卒生200人に

2018年03月08日

 【鹿児島】鹿児島大学農学部附属「焼酎・発酵学教育研究センター」焼酎マイスター養成コースの6期生修了式が2月17日、同大であった。

 同コースは焼酎製造業に関わる人はもちろん、酒類販売や飲食業や観光業の従事者、自治体職員など社会人が対象。焼酎を通じ鹿児島の魅力を発信する人材養成を目的に平成24年度スタートした。今回修了は54人。焼酎マイスターは累計198人となった。

 開講は研究センターが鹿児島県、鹿児島県酒造組合、及び日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)との連携で行っている。6つの科目=焼酎学の基礎・焼酎製造の実際・焼酎の商品知識・焼酎文化論・焼酎マーケティング・焼酎検定演習=から成り、計120時間の講義で体系的に学ぶ。1年間毎土曜を費やすペースのカリキュラムだ。

 修了生の一人、有馬研二さん(44=萬世酒造<鹿児島県南さつま市>)は営業職。特に製造に関し詳しくなったのが収穫で「得意先に問われても自信を持ち答えることが出来るだろう」と話した。「杜氏と一緒に面白いことができれば」とも。商品開発にもつながりそうだ。庄村奈津美さんは地元民放アナウンサー。焼酎マイスターになり「本当に嬉しい」との一声。「焼酎の深い世界」に触れることで「造られていく過程が呑むときのアテになる」と感じた。自身の仕事で「焼酎の美味しさ愉しさを共有する」試みへ意欲満々だ。

 式では鹿大・前田芳實学長が履修証明書、酒造組合・中玉利豊専務理事が焼酎マイスター認定書を授与。前田学長は「焼酎の産業技術文化を継承する人物として応援していきたい。焼酎文化を持つ鹿児島県や地域活性化の原動力となる活躍を祈る」との言葉を贈った。

 鹿児島では昨年9月、修了生連携組織「KAGOSHIMA SHOCHU MEISTERS CLUB(『かごしま焼酎マイスターズクラブ』)」(事務局・鹿児島市)が旗揚げ。本格焼酎需要の振興へ期待の声が高まっている。