和醸和楽 復興イベント収益から熊本市へ寄付

2017年10月26日

 【熊本】熊本地震本震から1年半の10月16日、日本酒普及活動を推進する「和醸和楽(わじょうわらく)」(佐藤広隆会長、メンバー蔵元全国27蔵+全国酒販店35店=事務局・東京)が熊本市の熊本市経済観光局・熊本城総合事務所で「熊本城復元整備基金」へ寄附金360万5625円を贈った。同月7日、県民の心の拠りどころで復興のシンボル、熊本城(二の丸広場)で熊本市と共催した「呑んで復興~火の国くまもとの酒×全国の銘酒~被災地に明るい笑顔を」の収益の一部に、東京の飲食店経営・木本光昭さん(㈱サグラーダ代表)が集めた募金33万8268円を合わせたもの。和醸和楽メンバーの地酒専門店「たちばな酒店」(㈱立花=熊本市)の専務・田尻智也さんがイベント実現への感謝を伝え「どうしてもこの日に(寄附金贈呈を)したかった。来年も、ご恩のバトンを繋ぐため熊本県産酒でやりたい」と復興への想いを言葉にした。

 贈呈式には田尻さん、東京から駆けつけた木本さんをはじめ、くまもと復興イベント実行委員会・県内日本酒蔵元代表の吉村謙太郎さん(瑞鷹)、同・県内焼酎蔵元代表の松下直揮さん(松下醸造場)が臨み、熊本城総合事務所の草野由志雄さんに手渡しした。

 呑んで復興--には、和醸和楽メンバー全蔵全国27蔵・熊本県内日本酒全蔵9蔵、熊本県内本格焼酎蔵15蔵、計51蔵が参加。グラスで販売の美酒が蔵元の言葉と共に供され力を与えた。福島県で酒販店を営む和醸和楽・佐藤会長は、東日本大震災を振り返った。「商売をスタートした時『明日元気になる酒をくれ』と言われ考えがガラッと変わった。お酒は明日への力水なんだ、と。お城とお酒、こんな贅沢なことはない。造り手の想いも味わってほしい」と話した。ほかの大災害に見舞われた仲間からの「大丈夫、必ずやれる」との言葉にも励まされたという佐藤会長。受けた恩をバトンのようにリレーしていかねばとの想いを強く抱いている。

 木本さんは、純熊本産生馬刺「木本商店」「石黒商店」「原田商店」を展開するなか酒類でも熊本県産酒に特化。支援を重ねイベントでもブースに立ち続けた。熊本城総合事務所からはイベント成功に驚きと感謝の言葉。城の被災状況や、短くても20年以上かかる復旧復興工事について説明した。それでも2019(平成31)年、同地でラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会が開催される時までに天守閣を完成させる計画だ。

 熊本地震本震から3カ月の昨年7月16日、熊本市の花畑広場で熊本県産酒を楽しんでもらう「熊本de KANPAI(くまもとで乾杯)」(県下清酒・焼酎全蔵40蔵の酒販売)があった。主催したのは南九州の焼酎蔵元若手グループ「Futures(フューチャーズ)」。鹿児島県の「なかむら」中村酒造場、「萬膳」万膳酒造、樋髙酒店、秋田県「一白水成」福禄寿酒造などからの寄附が原資となった。

 「乗り越えながら絆が生まれてきている」。甚大被害で復旧途上の「瑞鷹」吉村さんは呑んで復興--で募る想いを語った。「商売の垣根を越え全国の銘醸蔵と酒屋さんが集まっていただいた。そんな業界にいられることに感謝し、酒造りにまい進していきたいし、返していかねばならない」。