日本盛 コンビニ、駅ナカ売店でホット販売専用「燗酒」発売

2017年10月04日

 【東京】日本盛(西宮市)は10月2日からホット販売専用の日本酒「燗酒180mlボトル缶」を全国のコンビニや駅ナカ売店などを中心に販売を開始する。

 これまでも日本酒の燗酒の販売の要望は多かったが、日本酒は加温により著しく品質が劣化するため、一定期間の連続加温に耐えうる品質保持性の高い商品提供が前提の「日本酒のホット販売」は実現不可能というのが業界内の常識だった。日本盛は今回、独立行政法人酒類総合研究所と共同で、「老香(ひねか)」と呼ばれる日本酒特有の劣化臭を発生させにくい酵母の開発に成功。さらには独自の仕込み技術の確立で連続加温しても風香味が変化しにくい酒質の開発に成功し、今回の商品開発にいたった。

 開発には6年の歳月を費やしたと言い、9月25日に開いた会見で、同社森本直樹社長は、「日本酒の魅力はさまざまな温度帯で楽しめることができるというものであると思う。6年の歳月がかかったが感慨深いものがある」と話した。さらに、「いろんなことにチャレンジするのは会社のDNAとしてある。それがCMや発泡性清酒、健康を訴える商品、米ぬか美人など多くの業界初の商品につながっていると思う。今後、今回の商品をきっかけとして〝燗で飲む酒〟市場を引っ張っていきたい」と話した。

 開発した曽我浩常務は、「日本酒のホット販売には技術的に大きな壁があった。日本酒を一定期間加温すると色が茶色く変色し、老香が発生する。これを解決するためにさまざまな開発を行い課題を解決することができた。ありそうでなかったホット販売が可能となった日本酒の販売は業界初となる。ホット酒販売市場を創造したい」と話した。

 研究開発室の高野将彰氏は、「ありそうでなかった日本酒のホット販売は、品質的に出来なかったというのが本当のところだろう。一日限定の冬のイベントなどではたくさんの燗酒が売れるが、そうした商品はできないというのが業界の常識だった。しかし、他の飲料でできて日本酒にできない訳がない。そこで2週間以上の連続加温販売を必達目標としてこれができるまで研究開発を続けた」と開発の苦労を語った。

 また、商品を販売するために売り場の確保にも苦労したと言い、「ホット販売は販売店にとってはドル箱で、それを本商品に切り替えるのは大きなリスクを伴う。既存の商品と同等かそれ以上の売り上げの確保が求められる。いくつかの店舗でテスト販売を行い、それも可能であるとし、発売に至った」と説明した。

 発売当初は大手チェーンコンビニや駅ナカ売店など数百店舗での販売が決定しており、今後も順次拡大していく。また、他の酒類でもホット販売を行っていく方針で、麦焼酎での販売も決定しているという。商品は2週間連続して55℃から60℃で加温販売が可能。価格は223円(税別)、アルコール度数は14度以上15度未満、発売日は10月2日となっている。