酒類自販機 撤廃進む従来型自販機3082台が残存

2017年09月21日

 国税庁は平成29年4月1日現在の「酒類自動販売機の設置状況」をまとめ公表した。それによると、従来型機の設置台数は3082台で平成8年3月31日現在の設置台数を100とした場合の残存率は1・7%となり、昨年より0・1ポイントの減少となった。全国小売酒販組合中央会は平成7年に従来型酒類の屋外自動販売機の撤廃を決議しているが、決議から20年超経過するも完全撤廃には至っていないのが現状だ。

 未成年者の飲酒を防止するために、購入者の年齢を確認した上で酒類を販売することが求められているが、従来型の酒類自動販売機(以下・従来型機)による販売には、購入者の年齢を識別できないなどの点で問題があることから、全国小売酒販組合中央会では、平成7年5月の総会で従来型の酒類の屋外自動販売機の撤廃を決議し、自主的な撤廃を進めてきた。

 また国税庁でも、平成12年8月30日に決定した「未成年者の飲酒防止等対策および酒類販売の公正な取引環境の整備に関する施策大綱」に基づき、従来型機の撤廃に向けた自主的な取り組みの推進を促すため、毎年4月1日現在の酒類自動販売機の設置状況などについて、酒類小売業者に報告を求めている。

 全国小売酒販組合中央会の撤廃決議直後の平成8年3月31日現在の従来型機の設置台数18万5829台に対し、平成29年4月1日現在の従来型機の設置台数は3082台となっており、その残存率(平成8年3月31日現在の従来型機の設置台数を100%とした場合)は1・7%となり、昨年の調査より0・1ポイント減少した。

 従来型自販機の設置台数が最も多い局は大阪局で1123台、残存率も2・7%と最も高かった。次いで関信局が372台設置されており残存率は1・6%となっている。また、高松局は従来型自販機の設置台数は200台と少なかったものの、残存率は1・9%と大阪局に次いで高い割合を示した。

 「撤廃予定」などの調査では、今後630台が撤廃予定などとしており、それらが進むと従来型自販機の設置台数は2452台となり、残存率は1・3%となる。

 従来型機を撤廃していない主な理由としては、「売上が減少する」「撤廃費用または改良型機への切替え費用の負担が難しい」「周辺の酒販店が撤廃していない」などが挙げられている。国税庁では、「引き続き全国小売酒販組合中央会などとも連携して、従来型機の撤廃および改良型機への移行を促し、より長期的には、全ての酒類自動販売機の撤廃に向けた取り組みについて検討を進めていく」こととしている。

 なお、改良型自販機の設置台数は全国で1万3847台となっており、設置台数が最も多いのが大阪局の5276台となっている。