菊正宗酒造 瓶詰樽酒全商品を「純米化」へ

2017年09月13日

 【兵庫】菊正宗酒造は、瓶詰樽酒商品の発売50年を機に瓶詰樽酒商品を全量「純米化」し、神戸市東灘区の同社嘉宝蔵敷地内に樽酒の魅力を伝える工房「樽酒マイスターファクトリー」を設立した。

 新商品「純米樽酒」は、独自の酵母研究で生まれた「キクマサLA酵母」で樽酒専用の純米酒を醸造し、吉野杉の樽に一定期間貯蔵することでやさしい口当たりながら辛口でコクのある味わいを実現。爽やかな香りと引き締まった後味は様々な料理を引き立てる。

 また、同社は技術の継承のために、2013年から社内にて樽職人を育成しながら製樽事業に取り組んでいる。設立した樽酒マイスターファクトリーでは、樽の素材である吉野杉を展示し、職人たちがくぎや接着剤を一切使わず、「竹割り」「たが巻き」「樽組み」など江戸時代から変わらぬ樽づくりを行っている。また、映像ゾーン、樽詰場も見ることが出来る。

 9月4日に行った記者会見で、嘉納治郎右衞門社長は、「当社が瓶詰の樽酒を発売し、50周年を迎えた。木の香りのついた個性的な日本酒として親しまれている。これからも愛飲してもらい、そして新しい需要層にも楽しんでもらうべく、『本醸造酒』から『純米酒』へと変更した。これは樽酒に合う純米酒の研究を重ねた結果、今回実現に至った。また、樽酒の情報発信基地として、伝統的な樽づくりの現場を見ることができる樽酒マイスターファクトリーもオープンした。今後、新しくなった樽酒が多くのお客様に喜んでもらえる商品になるようにしたい」と新しくなった樽酒への想いを語った。

 続いて松永佳明営業本部長は、「純米樽酒」について説明を行い、「樽酒瓶詰は今から50年前に『昔ながらの香りの高い樽香を家庭で手軽に楽しんで欲しい』との思いで吉野杉樽で寝かせた酒を瓶に詰めた商品として誕生した。瓶詰樽酒の売上シェアは全体の75%が当社商品となっている。当社の樽酒出荷石数はこの10年で約160%の伸びを示している。今回、長年の酵母研究により、純米樽酒専用「酵母」の開発に成功し、『味の濃さ』『旨味』を強く感じるしっかりした味わいでありながら、渋味刺激が抑えられた優しい口当たりを実現した。さまざまな料理とも相性の良いお酒に仕上がっている」と新・樽酒の個性を伝えた。

 「樽酒マイスターファクトリー」は、樽酒づくりの過程を素材やパネル、映像で紹介するとともに、職人たちによる樽づくりの現場を実演するデモンストレーションも披露する。一般公開は11月下旬で、菊正宗酒造記念館の来館者を対象に1日20人(先着順)×2回の案内を予定している。

 【「純米樽酒」商品概要】▽酒質=純米酒(精米歩合70%)▽アルコール分=15%▽容量=1・8lびん、720mlびん、300mlびん▽参考小売価格(税抜)=2100円、923円、407円