FOOMA 醸造機械メーカーも多数出展

2017年06月22日

 【東京】アジア最大級の食品機械の展示会「FOOMA JAPAN 2017国際食品工業展」が6月13日~16日の4日間、江東区の東京ビッグサイトで開催され、食品機器に関するメーカー789社が出展した。

 酒類関係の主な出展社と出展内容は要旨次のとおり。

 <きた産業・ルーツ機械研究所>
 びん内二次発酵スパークリングの自動滓下げ装置「ジロパレット・シンプル」の展示を行った。同機はスパークリングワインや発泡清酒用の動壜機で、時間・回転・傾き・バイブレーションを自由に設定できる。新しい機能「バイブレーション」オプションでより早く確実な滓下げが可能となった。

 また、クラフトビールなどの充填に最適な「G-TRON(ジー・トロン)」の展示も行った。同機は「12ヘッド充填+3ヘッド缶シーマー」のロータリー缶詰機で、毎時2000本の処理能力を有する。少量生産に最適な機器となっており、地ビールメーカーからの引き合いが多いという。

 <サタケ>
 少量多品種醸造に対応した精米機「小ロット醸造精米機」の展示を行った。同機は張込量10俵の小ロット精米に対応。安定した精米品質と操作性を実現し、処理量にあった精米モータを採用することでランニングコストも低減した。また、新型砥石を搭載したことで、高精白の原料処理を効率よく行いやすくなった。

 <シブヤマシナリー・シブヤ精機>
 外観からは判別できない製品の中身の種類判別を行うことができる「近赤外分光検査装置」の展示を行った。同機は製品の中身、分布の偏りを非破壊で検査可能となっており、おにぎりの具の種類や、パンの中身の判別、果物・野菜の糖度なども計測できる。酒類のアルコール度数も判別することができる。

 <第一工業>
 新冷媒「R448A」を採用した「ファーストチラーキング」を前面に展開した。同機は2025年に実施されるフロン排出抑制法にいち早く対応したもので、今年4月に発売した。環境影響度の目標達成度は「フロンラベルA」となっている。1度Cの冷水を供給することで、製品の急速冷却が可能となっており、仕込み水やもろみの温度管理などに最適な機器となっている。

 <塚本鑛吉商店・リオン熱学>
 「全自動 蝶むすび機」を展示。同機は高級酒の瓶上部などに施される蝶むすびの装飾を全自動で行えるもので、その他の瓶製品に加え、菓子・贈答品などの箱製品、釜飯・弁当などの特殊容器にも対応している。箱製品では紐が交差する位置が中心でなくても結ぶことが可能となっており、食品会社からの引き合いも多いという。
 また「凍結濃縮熟成装置」の展示も行った。同機は液状食品や飲料などを冷却・冷凍し、水分と濃縮液に分離させる装置で、加熱による濃縮に比べ、素材の香りや風味を損なわない特長がある。加熱濃縮に不向きな素材も濃縮し容積を減らすことが可能となった。

 <フジワラテクノアート>
 完全自動、無人化運転が特徴の「回転式自動製麹培養装置」を前面に展示した。同機は麹の盛込、手入、出麹、製麹をするための回転円盤装置と、温度・湿度制御を行う空気調和装置に加え、これらを自動的に行う制御装置などから構成されている。酒造用の麹や、醤油・味噌などの麹作りを自動化することができる。最近では甘酒製造用の麹作りにも利用されており、引き合いが多いという。