臼杵四社合同蔵開き 市・環境情報協会も支援

2017年06月09日

 【大分】「醸造の町臼杵(うすき)四社合同蔵開き」が5月27日16-19時、臼杵市の臼杵市観光交流プラザであった。臼杵税務署管内・臼杵市内の全蔵元4社が揃いブース出展する、春秋開催の“出張”蔵開き。通算7回目、春4回目。酒・フード共「100~300の角打ち提供」で試飲即売も行った。蔵元自慢の逸品、地と旬を感じさせる食でも魅力満載。425人の来場で沸いた。

 臼杵は酒や醤油など醸造業が盛んで独特な文化が育まれてきたまち。醤油醸造元大手の「フンドーキン」と「フジジン」、九州で最古の「カニ醤油」(創業慶長5<1600>年)もある。イベント主催は実行委。臼杵市、臼杵市観光情報協会が後援し、官民一体で盛り上げる。19時閉会は夜のまちの活性化を願って。来場者に当日特典・特別メニューを用意する飲食店マップを配付した。

 参加蔵元/創業年は、▽清酒「宗麟」小手川酒造/安政2(1855)年▽清酒「一の井手」久家本店/万延元(1860)年▽焼酎「どっとん」赤嶺酒造場/明治18(1885)年▽清酒「龍梅」藤居酒造/明治5(1872)年。出品酒は約40種に及び、蔵元自ら来場者に酒の特徴や原料・造りのこだわりなど伝えた。毎回、当日限定酒が登場。藤居酒造は酵母違いの大吟醸無濾過生原酒をアピールした。

 臼杵は食の宝庫。かまがりフライ、ぎょろっけ、ハモ皮巻き、イノシシ・シカ串焼き、猪めし・猪角煮、蕗のきんぴら、漬物盛り合わせ、ローストビーフ、海老のアヒージョ、バスクチーズケーキ…。地元農園は“ほんまもん農産物”を販売。まちのパン屋の臼杵産酒粕カンパーニュ、中臼杵産苺のフレンチトースト、臼杵産イワシのオイルサーディンも洒落ている。郷土の銘菓うすきせんべいは、新感覚のアイスサンドと酒粕入り新作を売り込んだ。

 フードの売り切れを心配し早めに来たという大分市在住の佐藤早苗さんは3回目の参加。「4蔵が1カ所に集まり色々なお酒が飲めるのが楽しい。久家本店さんと赤嶺酒造場さんとはここで親しくなった」。蔵を訪ねるきっかけにもなったようだ。

 まちの魅力再発掘の契機。楽しくて地域活性化にもつながっているとの視点もあろう。NHKはじめ報道媒体の取材が増えている。「臼杵が醸造文化のまちであることを内外に知ってほしい」と始めたイベント。実行委員長・藤居徹さん(42=藤居酒造社長)の手応えは年々強まっている。今後は毎年5月と10月の最終土曜日に開催予定。次回は今年10月28日16-19時。17時には参加者皆で一斉乾杯。臼杵市では2015年10月1日、大分県初の乾杯条例「臼杵の地酒による乾杯条例」が施行している。