日本醸造協会 赤煉瓦工場の改修で基金設立

2017年04月25日

 明治37年に創設された大蔵省醸造試験所・清酒醸造試験工場の整備を目的として、赤煉瓦酒造工場の管理団体でもある日本醸造協会は同工場の整備事業基金を立ち上げ、1億円を目標に業界内外から寄付を呼び掛けている。

 同工場は、明治建築界の3大巨頭の一人でもある妻木頼黄氏の設計で、ドイツのビール工場を応用して設計された明治期の貴重なレンガ造り建造物で、産業遺産としても貴重とされている。

 日本の酒造りの近代化と酒類産業の発展にも貢献し、試験醸造や酒類醸造講習の実習工場としても歴史を重ねてきた。

 平成26年には建物が技術的に優秀で、歴史的価値が高いと、文化財審議会で国の重要文化財に指定。平成28年3月31日から日本醸造協会が管理団体の指定を受け管理してきた。

 今回の改修では、耐震補強や白タイル煉瓦室の修復、見学者のための洗面室の改修、屋根の修繕などで、約5億円が必要と見積もり、うち1億円を業界内外からの寄付で賄う予定。寄付者へは銘板への記載と醸造協会のHPでも発表される。また、所得税や法人税の優遇措置も受けることができる。

 詳しくは同協会のホームページ(http://www.jozo.or.jp/redbrick)まで。