国分 増収減益で着地、國分晃氏が社長に就任

2017年03月17日

 【東京】国分グループ本社(中央区日本橋、國分勘兵衛会長兼社長)は3月2日、「平成28年度の経営結果と平成29年度の経営方針」の発表を行った。

 会見では同社の平成28年度の決算報告が行われた。それによると、同社の平成28年(平成28年1月1日~12月31日)の売上高は1兆8178億7600万円で前年同期に比べ11%増となった。

 一方、営業利益は58億9800万円で21・3%減、経常利益は79億900万円で10・2%減となった結果、当期純利益は34億5300万円で35・2%減での着地となった。

 減益となった理由を同社は「新たな基盤構築のための投資を活発に行っていることもあり、償却コストがかかっている。新体制発足での経費も利益面に響いている」と分析している。

 部門別の売上高は▽加工食品=6648億5200万円で前年比11・7%増(構成比36・6%)▽冷凍・チルド=2974億9800万円で49・8%増(16・4%)▽菓子=442億8300万円で3・3%増(2・4%)▽酒類=2994億1900万円で4・6%減(16・5%)▽麦酒=2403億4700万円で3・3%減(13・2%)▽ビアテイスト(麦酒除く)=1647億7600万円で8%増(9・1%)▽その他=1066億9800万円で23・2%増(5・9%)――となった。

 酒類の種類別の売上高は▽清酒=589億6400万円で前年比3・6%減(構成比8・4%)▽焼酎=804億2300万円で5・8%減(11・4%)▽ワイン類=412億3100万円で7・1%増(5・9%)▽ウイスキー類=415億7200万円で1・1%増(5・9%)▽リキュール・スピリッツ他=772億2700万円で12・1%減(11%)――となった。

 業態別売上高は▽GMS=1419億7000万円で前年比17・5%(構成比7・8%)▽SM=7494億9200万円で9・3%増(41・2%)▽CVS=2106億3100万円で41・9%増(11・6%)▽ドラッグストア=1483億5500万円で11・3%(8・2%)▽百貨店=312億9000万円で7・4%増(1・7%)▽一般・業務用酒販店=1621億9300万円で1・1%減(8・9%)▽外食ユーザー=768億9500万円で1・1%増(4・2%)▽卸売=1728億7900万円で0・2%減(9・5%)▽その他=1241億6500万円で15・7%増(6・8%)――となった。

 同社は中期予算目標として平成30年に連結売上高2兆円と連結経常利益150億円を目指すことも発表した。

 第10次の長計ビジョンでは「食のマーケティングカンパニー」として顧客満足度ナンバー1企業となる目標を掲げた。

 ほかにも▽「顧客満足度調査」を実施▽メーカー、健康・介護、ネット/通販、外食、中食の5つの新規・強化分野で新たな戦略を打ち立てる▽エリア毎に地域ならではのオリジナル商品を展開するなどを掲げ「地域密着全国卸」を目指す▽中国事業の更なる拡大、アセアン地域での新規・深耕に注力し、海外事業の基幹化に取り組む▽PDCA管理を徹底し、顧客ニーズに全社員が応えていく体制を目指し「総マーケティング人材化」を構築する――を中心施策として発表した。

 また、会見上、新役員体制も発表され、現・副社長の國分晃氏が代表取締役社長に3月31日の株主総会・取締役会で就任する。

 國分晃氏は昭和46年7月21日生まれ。平成6年3月に慶応義塾大学法学部卒業後、同年4月にネスレ日本㈱に入社。平成10年9月、国分㈱に入社し、財務部副部長に就任。その後、取締役営業推進部長、常務取締役営業推進部長などを歴任し、平成27年3月に代表取締役副社長執行役員COO経営統括本部長に就任し現在に至る。

 なお、現・社長の國分勘兵衛氏は代表取締役会長兼CEOに就任予定となっている。

 会見上、今後の抱負を述べた國分晃氏は「『食のマーケティングカンパニー』というビジョンを掲げ、生き残って、成長するための基盤が新体制の発足などで整ったところだ。まずは第10次長計の達成に注力したい」語った。