スプリングバレー事業方針発表

2017年02月08日

 キリンホールディングス子会社のスプリングバレーブルワリーは1月31日、方針説明会を開催し、今秋、京都に3店目となる醸造設備を併設したブルワリーパブをオープンすることなどを発表した。

 低迷するビール業界の中にあってクラフトビール市場は年々増加しており、昨年は年間で4万kl(キリン推計)、今年は4万4000klから4万8000klと2割程度拡大するとみている。

 スプリングバレーブルワリーも、2015年3月に開業以来、累計来店者数が43万人を突破するなど人気で、和食やアウトドア、音楽などさまざまなカルチャーとコラボすることで、新たなビール飲用シーンの創出を行ってきた。

 今年はキリンビールが開発した3l小型容器と専用ディスペンサー向けにクラフトビールを提供するほか、京都に西日本初のフラッグシップ店を秋に開業することを発表。また、新たなビール文化を作るための200人規模の会員組織「CLUB SVB」を創設し、商品開発やホップ体験ツアーなど年間を通したさまざまな取り組みを実施する。

 キリンホールディングスの磯崎功典社長は、「ビール業界は年々減少しているが、これは少子高齢化やライフスタイルの変化だけでない。数量が落ちてもシェア争いや価格競争にこだわり、一番大切なお客さんを忘れてしまっていた」と述べ、今後は、「クラフトビールはまだボリュームは小さいが、味覚の幅を広げるという意味で、われわれがやっていかなければならない」と述べた。また、スプリングバレーブルワリーの和田徹社長は、「3年目となるが、お客さんの声を聴いてより良いものを作っていける確信ができた。おもしろく、魅力的にしていきたい」と話した。