蔵開き、天吹酒造

2017年02月06日

 【佐賀】花酵母で醸す日本酒の蔵元、天吹酒造(木下壮太郎社長、三養基郡みやき町)の「新春蔵開き」が1月28日はじまった。北部九州では皮切りの蔵開放イベント。この時期ならでは吟醸仕込みの蔵内に入り育まれゆく酒に出会う。コダワリの酒、食まで堪能し、クラフト作家展も。日本酒世界を幾重にも広げる。

 福岡県境、JR久留米駅から車で10分ほど。22世紀に残したい佐賀県遺産、国の有形文化財に登録される酒蔵がある。創業329年。蔵開きは1月下旬、2月上旬の連週土日=1月28・29日、2月4・5日=に催され、例年1日あたり400~500人が訪れる。

 風神の鏝絵(こてえ)が映える、明治期建造の仕込み蔵「風神蔵」に入ることが出来る。1日7回、社員はもとより木下武文会長自ら案内。独特の緊張感が漂う静寂の空間で、小仕込みタンクの醪からはプチプチと酵母躍動の音まで聞こえ、若い男女も親も子も芳華な香りに驚かされる。「色々な香りや味は酵母がつくり、様々な料理に合う日本酒が生まれる。お酒は五穀豊穣とか国家安全を願い神様にお供えするために造られた。乾杯は日本の神様にご多幸を祈念するもので、ぜひ日本のお酒で。そんな日本の文化も大切にしてほしい」。佐賀県には乾杯条例があり1万人一斉乾杯が達成されているとも話した。

 「プレミアム角打ち」は1回500円の有料試飲。ワイングラスで、様々な米や花酵母で仕込んだ純米吟醸酒など11種から3種を試すことが出来る。多彩な生酒もズラリ。スパークリングや山廃仕込み、壽限無(じゅげむ)という米を使ったものも。花酵母違いで飲み比べたり、お気に入り3杯など楽しみ方は自由。セットのクリームチーズや玉子燻製、かまぼこなどとの相性を確かめてもいい。蔵人や営業社員が酒選びをアドバイスするなど会話も弾む。1回19人25分の入替制で、一部の来客が場を独占しない工夫もある。

 蔵開き限定1日40本限定の樽酒など即売も。花酵母を使ったパンに酒粕を練り込んだ“酒かすタード”を入れたクリームパン、昆布や出汁、炙り鯖鮨、体に優しい野菜ランチなども販売された。唐津焼や銀細工、吹きガラスなど感性に響く作家展は毎年、酒造り同様手仕事の熱を伝える。

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 蔵開き期間中、人気沸騰「春の大試飲会」入場チケットを先行販売する。今酒造期に造られた酒を一堂に揃え試してもらうもの。「お客様と蔵人の意見交換会」(同社)との位置づけで会費1000円、酒肴等持込み自由で楽しめる。

 今年は5月20日・2部制で開催。新酒や古酒など25種ほどが堪能できる。昨年参加者は2部計で600人に上った。