大阪国税局  メーカー向け果実酒講習会開催

2016年12月07日

 【大阪】大阪国税局は11月29日、大阪・広島・高松各国税局管内の果実酒製造者に向けた「果実酒講習会」を大阪市中央区のKKRホテル大阪で開催した。

 講演会は、「温暖化地域である都農ワインにおける葡萄栽培とワイン醸造」(都農ワイン取締役工場長・赤尾誠二氏)、「ワインの品種特徴香を強化するための栽培・醸造技術」(キリンR&D本部ワイン技術研究所主務・生駒元氏)、「果実酒等の製法品質表示基準について」(大阪国税局酒税課)の3部構成で行い、会場にはワイン技術者を中心に約70人が集まった。

 開催あいさつの中で、藤田博一大阪国税局長は、「果実酒の製造業者向けの講習を西日本でも開催してほしいとの声を受け、果実酒業界の健全な発展を目的に、今回初めての開催となった。日本の果実酒は、さらに発展するポテンシャルを秘めており、今後の市場拡大も期待できる。さらにこの業界を発展させたい」と果実酒への期待の声を訴えた。

 「温暖化地域である都農ワインにおける葡萄栽培とワイン醸造」では、宮崎県という温暖で台風の多い地域で、いかにぶどう造りとワイン製造に取り組むかを、赤尾氏が技術者の立場で説明を行った。宮崎でのぶどう栽培について、「当社では7haのぶどう畑で60tのぶどうを栽培している。宮崎は暖かいため、芽吹きが早く、台風前に収穫が可能で、お盆の前には全国にワインを届けることができる」と説明するとともに、台風対策への防風材、降雨対策のビニール被覆などをモニター映像を交え、分かりやすく示し、「台風や高温多湿などはさまざまな対策とワインづくりの情熱で乗り越えることができる」と強調した。

 「ワインの品種特徴香を強化するための栽培・醸造技術」では、「シャトーメルシャン」の「甲州きいろ香2015」「大森リースリング2015」「穂坂マスカット・ベイリーA2013」のテイスティングを交えながら、甲州ワインの特徴香やリースリングぶどうの受光量向上による香り成分(モノテルペン類)の増強、マスカット・ベイリーAの香味に関する研究などを分かりやすく説明した。