キリン・アサヒ北陸エリアで共同配送

2016年08月04日

 アサヒビールとキリンビールは、環境負荷の低減とトラック不足などの社会的課題の解決を目的に、石川県金沢市に共同配送センターを開設、関西エリアの工場からビール類や清涼飲料水の鉄道コンテナによる共同輸送を開始すると発表した。

 新たに開設する配送センターは日本通運が運営。両社の製品を管理する。配送は両社の物流子会社が行い、配送センターまで、アサヒビール吹田工場およびキリンビール神戸工場で製造した商品を、日本貨物鉄道が関西から北陸間の往復輸送量の差により発生する空コンテナを有効活用し、鉄道で輸送する。

 来年1月から石川県で配送を開始し、同年秋からは富山県へとエリアを拡大する。

 両社はこれまで愛知県と滋賀県にある工場から届け先まで、200㎞~300㎞のトラック配送を行ってきたが、ドライバー不足などで現行のトラック配送に替わる新たな物流体制の構築が共通課題となっていた。また、温暖化ガスの削減は、各企業が最優先で取り組むべき課題とされていることから今回の協業となった。

 今回の協業を通じて、年間1万台相当の長距離トラック輸送を鉄道コンテナにモーダルシフトし、年間約2700tのCO2削減を実現する見込みという。

 両社は2011年8月から首都圏の小口配送および茨城・埼玉・長野・静岡の4県の一部地域で空容器の回収を共同で行っている。今回、日本通運とJR貨物を含めた新たな物流モデルを確立したことで、「社会的課題の解決に積極的に取り組んでいく」としており、「今後も非競争分野において両社が協業することで、さらなる環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献する」とした。