霧島酒造 平成28年3月期決算

2016年07月08日

 【宮崎】本格芋焼酎「黒霧島」の霧島酒造(江夏順行社長、本社・都城市)の平成27年度(27年4月-28年3月)における本格焼酎の販売量は前年度比10・1%増の51万6540石(前年度46万9000石)だった。売上高は10・4%増の641億3380万円(前年度581億1600万円)。本格焼酎のみの実績で、スピリッツ、ビールは含まない。「霧の蔵ブルワリー」での販売分も含まない。6月27日、同社が発表した。

 27年度販売量に占める容量別構成比は▽1・8l=70%▽900ml=23%▽その他=7%--で前年度同様。エリア別構成比(カッコ内前年度)は▽九州地区=36%(37%)▽西日本地区(中国・四国・近畿・北陸・中部)=30%(30%)▽東日本地区(関東・東北・北海道)=34%(33%)。関東以北で伸ばした。

 「『黒霧島』が前年増となっているのに加え平成27年1月発売の『白霧島』が本州を中心に好調なことが主たる要因。主力の1800mlパック製品に加え、900mlや200ml製品も良い動きをしている。数量限定で販売している『赤霧島』『茜霧島』も依然として引きの強い状態が続いている」。

 製造に関し、原料甘藷の昨年の作柄は宮崎県で「やや不作」、鹿児島県で「不作」となったが「集荷量に特に問題はなく計画通りの仕込みとなっている」とした。不足が懸念された麹用原料米については、平成26年にJA宮崎経済連、宮崎県との間で「焼酎用加工用米の生産に関する協定」を締結。「平成27酒造年度は原料米のうち25%を県内産で賄うことが出来た」。
 安定供給を目指し本社工場内に貯蔵タンクを拡充。平成25年に竣工した「パック第2工場」に既存の紙パックラインと同能力のライン増設も行っている。

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 同社の同年度・本格焼酎販売量は他社が記録した過去最高を更新するものだ。

 今年5月、創業100周年を迎えた同社。従業員数は4月末現在506人(臨時雇用含まない)。5月24日、5番目となる製造工場「志比田第二増設工場」(都城市志比田5548番3外)の新設計画を発表した。総工費157億円で、2018年8月稼働予定。300日稼働の場合、従来4工場での製造量は48万石。5工場体制では60万石になる。