小正醸造 「黒酢のお酒」発売会見

2016年06月24日

 【鹿児島】本格焼酎の蔵元、小正醸造(「日置蒸溜蔵」日置市、本店・鹿児島市、小正芳史社長)が6月14日、芋焼酎ベースのリキュール「黒酢のお酒」を全国発売した。鹿児島県霧島市福山町で造られる坂元醸造(「壺畑」霧島市福山町、本社・鹿児島市)の「坂元のくろず」を使用。芋焼酎と黒酢という鹿県ならではの伝統産業同士のコラボで生まれた新商品だ。

 焼酎と黒酢のコラボ商品は初。鹿児島の特産品を使った新商品開発に取り組むなか「知名度も全国的に高い『坂元のくろず』」との縁に恵まれた。「黒酢、焼酎の両方とも健康効果が期待でき、しかも有りそうで無かったコラボ。名産品になれば」と両社が研究交流を重ねた。特に黒酢の配合比率が難題だった。

 結果、黒麹製芋焼酎に、1年以上発酵・熟成の壺造り黒酢「坂元のくろず」を15%配合。「黒酢独特の風味と香りはそのままに、芋焼酎のコクと後キレのよい味わいに仕立てた」。スッキリとした飲み口で「食前酒」「食中酒」「寝る前の一杯」として幅広く楽しめるものとした。

 ▽種別=リキュール▽原材料=本格焼酎(芋)・黒酢・糖類▽アルコール分=12%▽容量/小売価格=700ml瓶カートン入り/1200円(税抜)

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 「鹿児島県日置市日吉の地で御神酒造りから始まり、いつの時代でも伝統を守りつつ新しき味わいを求め、挑戦し続けてきた」創業130余年の小正醸造。「創業から今日まで、鹿児島県霧島市福山の地で伝統の製法をかたくなに守り続け、『黒酢』の名前を生み出した」創業200年超の坂元醸造。商品化の実現を「鹿児島で生まれ育った、老舗企業同士だからこそ成せる新しき味わい」「健康にも良いとされる両者の組み合わせ」「鹿児島の新たな名産品として国内外のお客様に広く親しんでいただける」--と誇った。

 小正醸造は芋焼酎「小鶴(こづる)くろ」などの醸造元。伝統技術の伝承はもとより、「低圧芋蒸し」や「横型多連蒸留器」など個性的な商品を生み出す革新技術でも際立つ。

 黒酢は米麹と蒸し米、地下水のみを原料に、1~3年ほどの発酵・熟成期間を経て造られる穀物酢。通常の食酢よりアミノ酸が多く含まれているのが特徴だ。坂元醸造の黒酢造りは1800年代、江戸時代後期に始まった。一つの壺で自然に糖化・発酵を進める独自製法。福山の気候風土に根ざした「壺畑」で育まれ、製品が出来るまで最低でも1年かかる。

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 「壺畑の中での発表会」。小正醸造・小正芳嗣専務取締役は「商品化により、鹿児島の伝統文化産業を新しい形で盛り上げていきたい」と語った。坂元醸造・藏元忠明醸造技師長は「焼酎でのだれやめは1日の疲れを取る。黒酢は1日30ml取ると健康維持が出来る。(新商品を)1合飲めば黒酢が27ml摂取でき、疲れを取りなおかつ健康にも良い。鹿児島の経済を活性化し、元気にしていくような商品になれば」とコラボの波及効果に期待を寄せた。 

 焼酎愛飲者には「本格焼酎で晩酌した後の締めの一杯に」、黒酢愛飲家には「お酒として楽しむとっておきの一杯に」、健康志向の人やシニア層には「お酒であっても少しでも身体にいいものを取り入れたい、そんな一杯に」と勧める。

 ロックで黒酢由来の豊かな香りとスッキリとした酸味を楽しむも良し、ハイボールやジュース割り、ハチミツを入れるハニーブレンドなどのアレンジスタイルも提案している。レシピ充実で、低アルコール志向やライト志向の若者や女性にもアプローチしていきたいという。