日本酒造組合中央会四国支部が平成27年度3月期「通常総会」開催

2016年05月26日

 【四国】日本酒造組合中央会四国支部(吉田映治支部長)主催の平成27年度3月期「通常総会」が5月11日、徳島市寺島本町のホテルクレメント徳島で開かれた。「理事」や「監事」、中央会の評議員や委員を務める若手関係者ら約20人が出席し、同年度「決算報告」など全議案を可決承認した。

 「総会」には、「高松国税局」の木村政富酒類監理官、川口勉主任鑑定官、熊田利彦徳島派遣酒類業調整官をはじめ、「中央会」の篠原成行会長らが出席。事務局からは山西靖彦、長野邦江、村上光功、古川尚子、秋久徳子の各県担当者らが参加した。

 「会場」では、四国の酒造業界をめぐり貴重な意見が交わされた。「報告事項」も含め、主な内容は次の通り。

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 <総会/審議関係>

 ▽毎年30万円ずつ赤字のため50%の会費値上げをお願いしたい(事務局より)。

 ▽夏期研修は昔、1泊2日でしていたが、泉谷氏の時に半日にした。単位組合は厳しい情勢で補助金でもあれば(中城氏)。今回、講師の謝礼は局、旅費は組合が出す(木村監理官、事務局)。

 今年の講師は、酒総研の後藤奈美理事長。女性初のトップで清酒はもちろんワインにも造詣が深い(越智氏)。

 <同/人事関係>

 ▽支部長はこれまで3期6年で今は2期なのであともう1期させてもらう(吉田支部長)。技術顧問の上田氏など留任。

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 <需要開発関係>

 ▽6月の日本酒フェアは2度目の土曜開催で、2部制。インバウンドも増えており、外国人向けセミナーも開く(以下、越智氏)。

 ▽酒造会館の引っ越しに伴い、日本の酒情報館のリニューアル。ソフト・ハード両面で見直し、女性のためのスクールも計画。

 ▽10月「日本酒の日」は今年も10万1千人で一斉乾杯をする。昨年は午後7時だったが、今年は各県でズレるかも。今年もシンガポールと会場をつなぐ。

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  その他

 ▽池田の酒まつりは、実行委員会の地元商工会議所より四国支部に後援をお願いしたいと。今までしていなかったのが不思議(中村氏)→了承。

 ▽大阪の酒国イベントは、今年から2部制。チケットは各2千枚ずつだが、千枚と1300枚で現状は苦戦。再度しっかり販売強化を(仙頭氏)。

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 【篠原会長】

 ▽建て替えの会館は、ビルもほとんど出来上がっている。大通りに出る。1階の情報館は庁からの補助金で、インバウンド対策。海外へ売りなさいと言うことだ。

 テナントに出てもらう話はややこしい。サッシやカーテンの協会は出てくれず裁判。登茂惠(ともえ)はラクだった。

 ▽日本酒の輸出基本戦略は、もう少し機能させたい。民主から自民に政策がうつり、官庁の横のつながりは素晴らしい。観光庁の酒蔵ツーリズムや農水省のコメのための日本酒消費など。日本産酒類の輸出で予算(6億円)がついているのは酒造だけ。

 野田聖子などの空港キャンペーンは良かった。現在は順番待ちで外国向け統一マークも活用を。G7の乾杯も順調だ。

 ▽税制改正はなかなか前へ進まない。表向きは「やる」だが、今年中か分からない。でも運動はする。問題は日本酒とワインの税40円差と、合成清酒など呼称問題。連続式の焼酎もスピリッツで、みりん風調味料も発酵調味液だ。呼称問題は国会でも議論してほしい。

 発泡酒があがれば発泡性清酒もあがる。

 ▽食品表示法は思わぬ方向にいき、フタを開けると巻き込まれていた。未納税の問題は複雑で、ラベルも間に合わない。消費者庁の処罰が来たら大変で必ず税務署に相談して答えをもらってほしい。

 ▽原料米問題では、好適米の備蓄米について補助金を出してどんどん造るようにとの案が出ているが、大反対する。古いのは使えず全農はやり過ぎ。

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 【木村監理官】

 ▽団塊の世代が完全年金生活で普通酒は減る。

 ▽酒国イベントの成功を祈る。

 ▽日本産酒類は政府全体で取り組んでおり、平成27年度の輸出額390億円は33%増、過去最高で4年連続の伸長。局の鑑評会でも英語表記の賞状を出した。土日でも職員を派遣する。

 ▽昨年来、庁も日本産酒類の需要振興に大きく舵を切った。取り組むのは皆さんで、行政はサービス業として情報提供させてもらうので、意見を頂きたい。

 ▽作成した四国酒蔵マップはジェトロに頼まれ、世界中のジェトロや国内ではJR主要駅、観光協会などに置く。当初3千部から5千部に増刷中。今後は中国語や韓国語も対応する。

 ▽食品表示法は、各県酒造組合の説明会を開く。

 ▽軽減税率は、清酒でなくても副産物の酒粕が関係するので注意してほしい。