伊藤忠食品決算会見

2016年05月18日

 【東京】伊藤忠食品(大阪市中央区、星秀一社長)は4月28日、港区の東京本社で「2016年3月期決算中期経営説明会」を開催した。

 同社の平成28年3月期(平成27年4月1日~28年3月31日)の売上高は6530億1600万円で前年同期の6176億600万円に比べ5・7%の増加となった。営業利益は39億8300万円で前年同期比8・5%増、経常利益も46億6900万円で3・6%増となった結果、当期純利益は30億200万円で16・3%増となった。

 当期決算は前期比・計画比ともに増収・増益での着地となった。販売管理費は311億円で、売り上げ拡大による経費増により前期比3・7%増加となった。

 売上高の増加の主要因は①持分法子会社1社を連結子会社としたことにより54億円増②前期の仮需反動がなくなったことにより30億円増③うるう年で1日多かったため20億円増④組織小売業との取引拡大などにより250億円増加――となっている。純利益の増加は前期の特別損失の裏返しで大幅増加となった。

 商品分類別の売上高の内訳は▽ビール=1481億3200万円で4・5%増▽和洋酒=922億1000万円で2%増▽調味料・缶詰=963億9200万円で3・5%増▽嗜好・飲料=1341億2600万円で14%増▽麺・乾物=577億5600万円で2・1%増▽冷凍・チルド=216億3200万円で15・8%増▽ギフト=470億1500万円で1%減▽その他=203億3900万円で2・2%増--で、夏場の取り引き好調でビール・飲料類の増加が目立った。

 2017年3月期の見通しは▽売上高=6300億円で前年同期比3・5%減▽営業利益=32億円で19・7%減▽経常利益=40億円で14・3%減▽当期純利益=31億円で3.2%増--で減収増益の計画となっている。

 中期経営計画では経営ビジョンを「『価値』を訴求し『信頼』されるグッド・カンパニーへ」とし、 3つの重点戦略「中核事業の拡大・深耕」「オンリー1、ナンバー1」「価値追求・機能強化」を掲げ、5年後の2021年3月期までに売上高1兆円以上、経常利益率1%(毎期増額)を目指す。

 また、同社は5月10日、ホテルニューオータニで「新中期経営方針説明会」を開催し、取引先など170社284人が参加した。

 懇親会の席上であいさつに立ったアサヒグループホールディングス代表取締役社長兼COOの小路明善氏は「増収増益、全地域での売上増をお祝い申し上げる。新中経に向け素晴らしいスタートを切ったと言える。当社としても価値訴求、信頼の獲得に一丸となって取り組んでいきたい」と述べた。