ビール各社の9月販売動向、ブランド間でばらつき、機能系は引き続き好調

2015年11月06日

 ビール各社は、ビール、発泡酒、新ジャンル酒類の第3四半期(1―9月)の販売動向について次のとおり発表した。

 【アサヒビール】ビール類トータルでは、9月単月で前年並み、1―9月累計で2%減を示した。

 ビールは単月では2%増。「スーパードライ」計では1・9%増を示している。

 発泡酒は、前年発売の「スーパーゼロ」の反動もあり、単月で15%減となった。累計では前年並み。「スタイルフリー」計は、単月で19・2%増、累計で8・4%増となり、6カ月連続で単月・累計ともに前年を上回った。

 新ジャンルは、単月で2%増、累計で1%減。「クリアアサヒ」計は、単月で15・4%増、累計で10・6%増とともに前年増を示した。

 【キリンビール】ビール類計は上中旬の天候不順もあったがプラスで着地し、単月で1%増、累計で前年並みとなった。
 ビールは単月・累計ともに前年並み。「一番搾り」ブランドは、業務用営業の継続的な強化やマイレージキャンペーンの効果により、業務用・缶ともにプラスとなった。

 発泡酒は、単月で6%減、累計で前年並みとなった。

 新ジャンルは、単月で9%増、累計で1%減を示した。

 また同社機能系主要商品計は、健康志向の高まりを背景に、11%増と好調に推移した。

 【サントリーホールディングス】ビール事業は累計で1%程度の増加となった。単月では、9月8日に発売した「ザ・モルツ」が寄与し、8%増を示した。

 「ザ・プレミアム・モルツ」は、<芳醇エール>の新発売やマイレージ型のキャンペーンの実施など積極的なマーケティング活動を実施した。

 「ザ・モルツ」は、9月末までの販売実績が134万ケースとなり、2015年販売計画の約7割を達成する好調なすべり出しとなった。

 「金麦」シリーズは、累計で販売数量2715万ケース、1%増と伸長した。

 【サッポロビール】ビール全体の販売数量は、単月では約10%減、累計では約7%減を示した。

 ビールは、単月・累計ともに前年を若干下回った。「黒ラベル」計は、単月は前年を上回ったが、累計では若干下回った。「ヱビス」ブランド計は単月・累計とも前年を下回った。

 新ジャンルは、「麦とホップ The gold」が単月・累計ともマイナスとなった。

 【総括】今年の第3四半期はビール全体では減少傾向にある。各社でジャンルや主要ブランドでの明暗もあり、ブランドごとにばらつきはあるものの、トータル的に増税反動や夏場の天候不順などの影響を受けた結果となった。「クラフトビール」と「機能系」という特殊性が注目をあびる中、トータルのビール類を拡大することは難しくなっている。秋冬の家庭用・業務用でどこまで市場活性化できるかに期待したい。