第3四半期ビール課税出荷数量、最盛期の夏季に振るわず、ビール全体で1・3%減

2015年10月20日

 通年のプラス、今年も厳しいか。ビール酒造組合などがまとめた第3四半期のビール類課税出荷数量は391万6019で前年比1・3%のマイナスを示した。今年は4―6月では消費税増税の反動もありプラスを示していたが、7月以降最盛期にもかかわらず伸びが鈍化し、累計では減少となった。ジャンル別に見るとプラスを示したのは発泡酒のみとなった。

 ビール酒造組合、発泡酒の税制を考える会などがまとめた第3四半期(1―9月)のビール類課税出荷数量(ビール+発泡酒+新ジャンル酒類)は391万6019klで、前年同期の396万6268klに比べ1・3%減となった。最盛期の夏季に振るわず、第3四半期の減少は11年連続となった。一方で発泡酒は、各社が揃える「糖質ゼロ発泡酒」の好調が継続し、プラスを示した。

 ジャンル別の第3四半期出荷数量(前年出荷数量と前年比)は▽ビー ル=194万8757kl(195万9770klに比し0・6%の減少)▽発泡酒=57万3964kl(56万935klに比し2・3%増加)▽新ジャンル=139万3298kl(144万5563klに比し3・6%の減 少)――と発泡酒のみが上回った。 

 ビール酒造組合の発表によると、第3四半期のビールの容器別販売動向の前年比(構成比)は▽びん=3・3%減(17・5%)▽缶=0・3%増 (45・9%)▽樽・タンク=0・3%減(36・6%)――となった。また用途別販売動向(構成比)は、業務用が0・9%減(48・ 5%)、家庭用が0・3%減(51・5%)といずれも微減した。

 また、発泡酒の税制を考える会によると、第3四半期の発泡酒の容器別販売動向の前年比(構成比)は▽びん=53・9%増(0・4%)▽缶=2・6%増(97・1%)▽樽・タンク=13・3%減(2・5%)――を示すとともに、用途別販売動向(構成比)は業務用が9・0%減(3・3%)、家庭用が2・8%増(96・7%)と好調に動いている。

 第3四半期の新ジャンル酒類の内訳を見ると、「その他の醸造酒(発泡性①)」のものが38万5150klで8・6%減、「リキュール(発泡性①)」のものが100万8149klで1・6%減といずれも減少を示している。

 11年連続減少と残念な結果となった第3四半期。今年の4―6月累計のビール類は、昨年同期が消費税増税に伴う仮需反動により数字を大きく落としていたため、7%増と好調に推移した。しかし、最盛期である7・8月で家庭用・業務用とも停滞傾向を示し、販売数量を稼ぐことができなかった。ここには景気や天候要因だけでなく、「ビール離れ」と「アルコール離れ」の相乗したダメージも要因となっているだろう。通年でのプラスも厳しい状況ではあるが、「冬のビール類」の魅力を訴えた市場活性化に期待したい。