日本ワイナリー協会が平成28年度税制改正等要望書をまとめ公表

2015年10月08日

 日本ワイナリー協会(横山清理事長)は、平成28年度税制改正等要望書をまとめ公表した。

 今年は、①ワインの酒税増税絶対反対②ワインの低アルコール分のものに対する低額税率の適用③国産果実使用ワインに対する酒税の軽減税率制度の導入④ワイン等の関税の撤廃に当たっての中小ワイナリーへの配慮⑤流通市場における被災酒類および変質等酒類の酒税現地還付制度の導入⑥果実酒に貯蔵用樽材を粉砕加工したチップを投入し樽香味を付与した場合の酒税法の品目を甘味果実酒から果実酒に変更⑦制度の簡素合理化――を要望した。

 「ワインの酒税増税絶対反対」では、「日本のワインの市場規模は小さい上、国産ワイン製造者のほとんどが中小・零細で経営基盤は極めて脆弱」とするとともに、国産ワインの生産量は「ピークの平成10年を未だに下回っている」と説明。さらにワインは平成15年、平成18年と2度も増税されており、さらなる増税は「国内ワイナリーに計り知れない打撃となりかねない」とし、加えて日豪EPA協定でボトルワインの関税が段階的に撤廃になったこと、日EU・EPA交渉でもワイン関税の撤廃が議論されていることから、「育ちつつある小規模ワイナリーを中心に打撃を受け、経営が立ち行かなくなることになる」ことから、ワインの酒税の増税は「絶対反対」とした。

 「ワインの低アルコール分のものに対する低額税率の適用」では、アルコール分8度未満のものについて低額な税率適用区分を設けるよう要望した。

 「国産果実使用ワインに対する酒税の軽減税率制度の導入」については、割高な国産果実を使用して製造したワインに対する酒税の軽減税率制度を導入するよう要望した。

 「ワイン等の関税の撤廃に当たっての中小ワイナリーへの配慮」では、日本のワイン市場は輸入ワインが7割を占め、関税が即時撤廃された場合には「中小ワイナリーの受けるダメージが大きい」ことから、ワインなどの関税撤廃に当たっては「激変緩和のための配慮」を要望した。

 「果実酒に貯蔵用樽材を粉砕加工したチップを投入し樽香味を付与した場合の酒税法の品目を甘味果実酒から果実酒に変更」については、現行酒税法上では、果実酒を樽に長期間貯蔵し樽香味成分を自然に浸出させた場合は果実酒のまま品目の変更はないが、果実酒に樽材を粉砕加工したオークチップを浸し、その成分である樽香味を短期間で浸出させた場合の品目が甘味果実酒に該当する取り扱いになるため、これも果実酒のまま品目が変更にならないよう、要望した。