灘五郷研究会、灘酒の魅力を伝える、「灘の生一本」試飲会

2015年10月06日

 【兵庫】灘五郷とその周辺の酒蔵の酒造技術者で組織する灘五郷研究会は、灘五郷清酒メーカー9社の統一ブランド「灘の生一本」発売日(9月28日)に先立ち、一般公募した消費者60組120人を招待する「発売記念・特別試飲会」を9月26日に神戸市中央区の北野工房のまちで開催した。

 「灘の生一本」は、伝統の技を受け継ぎ、最新の技術を身につけた醸造技術者が、企業の枠を超えて集結し、参加各社のそれぞれの特長を生かした統一ブランドの純米酒で、今年で5年目の取り組みとなる。今年度も灘五郷酒造組合員のうち、参加9銘柄(大関・菊正宗・剣菱・櫻正宗・沢の鶴・道灌・日本盛・白鹿・白鶴)で、いずれも9社それぞの特長を生かし、灘酒研究会酒質審査委員会がその酒質を審査・認定した、個性豊かなラインアップが揃った。

 開催前に各社担当者から参加者に向けて、各社の「灘の生一本」について特長や製法を分かりやすく説明を行った。試飲会では、9社がそれぞれのブースを出展し、今年の「灘の生一本」を振舞った。参加者は、各社の味の違いを楽しみながら、蔵元の人と交流を図った。

 主催者あいさつで同研究会の藤田雄一酒質審査委員長(剣菱酒造・醸造部部長)は、「当研究会は、灘五郷を中心とした酒造技術者で組織する団体で、大正6年に設立し、来年で100周年を迎える。灘の伝統的な技を受け継ぎ、お酒づくりの技術の研さんと品質向上に努めており、『灘の生一本』もこれらの技が育んだ」と同ブランドについて説明した。

 また、広報需要開発委員会の春山祐二氏(菊正宗酒造・営業部部長)は、懇親会のあいさつに立ち、「兵庫県産のお米と水で育んだ『灘の生一本』は、各社ともに個性にあふれており、その違いを楽しんでほしい。これからも皆様に愛される日本酒でありたい」と参加者に向けて灘酒の魅力を訴えた。

 【「灘の生一本」各社概要】▽大関=独自育成米「いにしえの舞」を100%使用した適度な甘味と酸味が調和した特別純米酒。アルコール分は15度以上16度未満、1170円▽菊正宗=原料米に兵庫恋錦を100%使用した生酛造りによる特別純米酒で、淡麗・やや辛口な味わい。16度、1170円▽剣菱=じっくりと丁寧に熟成させた香りと黄金色、口に含むと広がる濃淳な旨みとコクが調和されたお酒。17・5度、1500円▽櫻正宗=兵庫県産の山田錦を100%使用、淡麗・やや辛口でキレ味の良さと米のふくらみを感じる。15度以上16度未満、1170円▽沢の鶴=山田錦を100%使用して伝統の技「生酛造り」によって醸された特別純米酒。14・5度、1170円▽道灌=兵庫県産フクノハナを100%使用した旨みのある純米酒。おだやかな香りとふくらみのある味わい。15度以上16度未満、1170円▽日本盛=精米歩合60%まで磨いたお米で醸した特別純米酒。程よい酸味とキレの良さ。15度以上16度未満、1170円▽黒松白鹿=兵庫夢錦ともち米を使用した適度な甘味のある純米酒。16度以上17度未満、1170円▽白鶴=白鶴独自開発米である「白鶴錦」を100%使用した純米酒で、芳醇な香りとキレの良さ。15度以上16度未満、1170円