芋焼酎、仕込み本番、原料芋の生育は遅れ気味

2015年09月17日

 【鹿児島】小鹿農業生産組合は「小鹿酒造工場・原料甘藷(サツマイモ)確保のため、直営農場における生産の拡大及び契約農家会員の推進」を事業目的に掲げ平成6年に設立。現在の作付面積は140ha(契約農家会員面積=100ha、直営農場面積=40 ha)。契約農家は45戸ほどになっている。

 栽培する焼酎原料芋は大方が黄金千貫(こがねせんがん)だが、近年は多彩な品種芋が作付されるようになった。例えば鹿屋ゴールド・姫あやか・サツママサリ・紅あずま・玉あかね・安納・紫マサリ・綾紫・紅はるか・紅さつま…。

 植え付けから収穫まで大方6カ月。すべてマルチ栽培で、9月初めに使う芋は3月中旬あたりの早植え分。6月中旬の遅植え分の収穫は12月初めごろになる見込みだ。

 組合では毎年8月8日前後、栽培された芋の品評会を開催している。生産農家が栽培した芋2株の重量などを競うもので、作況を見る一つの指標にもなる。今年の1位は2・5㎏。対して平成25年度は4・1㎏、26年度は3・6㎏で生育不順が分かる。東代表によると組合での作付は今年21年目となるが、平均反収は25年度が最高の3t200㎏、26年度は2番目の2t800㎏。今後の天候次第だが、今期は2t400㎏程度で落ち着くと見ている。

 一方、鹿児島県農業開発総合センター大隅支場(鹿屋市串良町)の8月10日掘取調査でも生育不順を示す結果が出た。
 6・7月の気象環境(6月平年比/7月平年比)は、▽平均気温(マイナス1・2℃/マイナス2・1℃)▽降水量(249%/180%)▽日照時間(94%/99%)。

 マルチ栽培の黄金千貫(植付4月16日、生育期間116日間)の「つる重」は平年比47%。つる重は葉や茎の重量で芋の生長に影響する。「上芋(重量50g以上の芋)個数」は85%、「上芋収量」は72%だった。