1-7月通関実績、チリ、フランスを超える、ボトルワインで首位に

2015年09月09日

 国税庁が発表した通関実績によると、1―7月のボトルワイン(2?以下の容器入りにしたもの)の輸入実績は、チリワインが拡大を続け、フランスワインを超え、輸入第1位となった。

 1―7月のワイン輸入通関実績を見ると、1位がチリ(2万8285kl)、2位がフランス(2万6472kl)、3位がイタリア(2万620kl)、4位がスペイン(1万2211kl)、5位がアメリカ合衆国(5452kl)となり、1位のチリは前年同期比で2ケタ増の躍進を見せ、フランスを上回った。

 近年、輸入の低価格ワインが日本市場で好調に推移し、特にチリ、スペイン、オーストラリア、アルゼンチン、南アフリカ共和国などは「ニューワールド」ワインと称され、日本での市場を一気に拡大させた。

 中でももっとも大きな成長を遂げたのがチリワインだ。ニューワールドの中でも市場をもっとも拡大し、一昨年にはワイン主要国のイタリアを抜き2位に浮上。今年に入っても好調が続き、上半期でフランスに迫る勢いとなっていた。

 チリワインは、ビール各社が輸入ワインの主力ブランドで家庭用・業務用ともに堅調に推移しており、「価格の安さと日本人の味覚に合う味わいが受け入れられ、市場を拡大したと思われる」と業界関係者は示す。価格帯も、フルボトルで500円のものから1000円台・2000円台のものまで幅広く揃っており、日常のデイリーワインから料飲店での定番メニューと用途も幅広く活用されている。

 このまま好調が継続すれば、通年で通関実績でフランスを初めて超える可能性もある。年末に向け、本格シーズンを迎えるワイン市場に注目したい。