メルシャン、自社管理畑を拡大、日本ワインの長期的成長

2015年07月17日

 メルシャンは、「シャトー・メルシャン」を通じた日本ワインの普及と発展を目指し、長野県塩尻市片丘地区において自社管理畑を拡大するため7月1日から新たに農地の賃借を開始する。「適地・適品種」の思想のもと1970年代から「シャトー・メルシャン」が培ってきたブドウ栽培やワイン造りの知見を活かし、日本が世界に誇るワイン産地となるよう、日本ワインならではの品質や個性を追求し、長期的な成長を図っていく。

 なお、農地法により農地賃借と栽培管理は同社の子会社として設立した農業生産法人「メルシャンヴィティコール塩尻株式会社」が行っていく。ブドウの植栽は2017年春に開始し、2023年に成園を迎える計画としている。

 日本におけるワイン市場は年々拡大しており、国内のワイン消費数量は2年連続で過去最高を更新した。そうした中で、日本産ブドウ100%で造る日本ワインは、ワイン市場全体に占める規模はまだ小さいものの、醸造設備の充実や造り手の技術向上により、国内外のワインコンクールで高く評価される機会が増えている。新規参入ワイナリーの増加も顕著なことに加え、和食の世界無形文化遺産への登録や2020年の東京オリンピック開催決定など日本文化に注目が集まる話題もあり、日本ワインはこれからますます普及し発展していくことが期待される。

 こうした背景から同社では、日本ワインの長期的な成長に貢献するため、1976年から長きにわたり契約栽培地として繋がりを持つ長野県塩尻市において新たに農地を賃借し、自社管理畑を拡大する。自社管理畑拡大は、2003年から植栽を開始した長野県上田市の「椀子(マリコ)ヴィンヤード」以来となる。

 当社では、ブドウ畑は成園を迎えるまでに、7年程度かかると考えており、今回拡大する畑のワインについては、「シャトー・メルシャン」ブランドとして10年後のファーストヴィンテージ発売を1つの目標とし、日本ワインのさらなる普及を目指していく。また、同ブランドを通じてワイン用ブドウ栽培が地域産業の発展の一助となるよう、ワインの品質や個性を追求し、日本ワインの価値向上に貢献していく。

 【新自社管理畑の概要】▽所在地=長野県塩尻市片丘地区▽賃借面積=約7ヘクタール▽植栽計画=2017年春植栽開始、垣根仕立て▽植栽品種=メルローほか