街の酒屋さんを守る国会議員の会

2014年04月23日

 「街の酒屋さんを守る国会議員の会」は4月16日、衆議院第一議員会館で総会を開き、3月に発足したプロジェクトチーム(PT)の開催状況や今後の活動方針が話された後、関係省庁、全国小売酒販組合中央会からの説明を受け、議員らの意見交換が行われた。

 冒頭、同会の田中和徳会長は、「不当廉売、差別対価によって、全国の酒屋さんはバタバタと倒産、廃業に追い込まれ、自殺者や失踪なども多くなっている。また、一般小売酒販店がなくなることで、地域の商店街も廃れてきている。今も酒販業界は、不当廉売と思しき事案が他業界と比べても圧倒的に多い。先日、行った衆参議長宛の請願は40万人を超えるなど関心は高い。今こそ、われわれが政治の責任を果たしていかなくてはならない」と述べた。続いて、野田毅最高顧問が、「今の小売酒販業界は本当に、首の皮一枚でつながっているという状況で、危機に瀕している。規制緩和の下、小売酒販業界をここまで追い込んでしまったということは痛恨の極み。責任を痛感する。地域の中で中核的な役割を果たしている酒販業界の皆さんの誇りを取り戻すべく、議連で力を合わせて何とか改善していかなくてはならない」とあいさつを行った。

 河井克行PT座長は、「これからは言葉ではなく実行。覚悟と決意を持って行っていく。特に、小売酒販業界の要望としているビール、発泡酒、新ジャンルの基本税率の一本化についての要望書を提出する。また、小売免許の更新性や、不公正取引の罰則の強化。24時間販売の是非について、今後、議論を深めていきたい」と、PTとしての方向性を近くまとめる考えを明らかにした。

 出席した議員からは、「規制緩和当時、今の惨状は想定していなかった。次の世代に酒販業という職業を残していくためには、抜本的な改革が必要」「規制すべきところはすべき」など、酒販免許の規制強化を訴える意見が数多く出たほか、「免許取得時に組合への加入を義務付け、地域を支える中心であって欲しい」と言う意見もあった。また、現在の公取委の不当廉売、差別対価の取り扱いについて、「問題が発覚し指導や注意を受けたら価格は上がるが、一定の期間のあとまた不当に安い価格に戻す。また、一方が叩かれたら他方から出てくるといったように、〝モグラ叩き〟の状態になっている。これは一度に殲滅できるような法案が必要」「公取委の注意、警告は制裁になっているのか。どうでも良いと思われているのでないか」といった意見も。全国小売酒販組合中央会では、不当廉売で2度注意を受けた事業者に営業停止などの処分を要望しているが、田中会長は公取委、国税庁に対し、「これだけ指導、注意が出ているが、地域的なものや業態、業者が明らかにされていない。これが明らかになればわれわれとしても対応ができる。本当に主旨が生きているのかと言わざるを得ない」と改善を指示した。

 全国小売酒販組合中央会の松田武会長は、「議連の皆さんのおかげで、小売業界にも明かりが見えてきた。この明かりを絶やすことなく、より一層の支援をお願いしたい」と述べた。