全国久保田会総会 久保田前年度1%増加

2007年05月31日

 【横浜】清酒「久保田」の特約店で組織する「全国久保田会」(熊田裕一会長、会員738店)は5月20日、新横浜プリンスホテルで第22回の総会を開催し、554店の「久保田」特約店が結集した。

 冒頭、熊田会長は、「今回の総会で22回目となるが、特約店の75%が出席していただいている。これが久保田の礎だ」と会の意義を訴えた。「久保田」醸造元、朝日酒造(新潟県長岡市)の平澤修社長は、「少子高齢化、人口減少でお酒の消費は減っている。『良い酒を造ったから買ってください』では売れない時代だ。酒にどのような付加価値を付け加えていけるかがこれからの生き残りになるだろう。われわれは、地域に根ざし、多くの人たちとのふれ合いを模索してきた。その中から、一人でも多くのファンを取り込んでいきたいと考えている」と話した。また、「今の商品構成で良いのか、今の取引先で良いのかなど従来にとらわれず、根本的に再構築し、次の時代に備えていきたい」と、同社の姿勢を示した。

 次いで同社・細田康営業部長が久保田販売状況を説明。2005年度の久保田ブランド別の動向は、萬寿606kl、碧寿185kl、紅寿291kl、千寿2851kl、百寿880kl、翠寿59kl、久保田合計で4870klで2004年度比1%の増加となったと説明。また、昨年10月から今年の3月までの販売状況は2877klで前年比1・4%増加し、朝日酒造全体が同期間で1・9%減少したのに対し、「久保田」は前年を上回っての着地となっている。また、海外への「久保田」の輸出については、「現在19カ国へ向けて700石を輸出している。輸出先はレストランなどの飲食店となっており、毎年、提供状況などを直接確認している」と、海外市場を「有望」としながらも、輸出についても「顔が見える商売」を進めていることを強調した。今後の取り引きについては、「仲間作りは進めていきたいが、単に数だけを狙った展開はしない」と店舗展開について話した。また、片岡惇工場長が製造報告を行い、翠寿の酒質変更(使用酵母の変更など)、新工場の稼働状況などについて話した。

 会では、会員の各種活動状況の発表があり、たかつき酒販(大阪市)の水永剛氏、酒のたかしま(千葉県)の高嶋初江氏、瀧澤酒店(新潟県)の瀧澤茂秋氏が事例を報告した。

 また、記念講演には東京町田市で「でんかのヤマグチ」を経営する(株)ヤマグチ・山口勉社長が「地域密着でお客様の“こころ”をつかむ」と題した講演を行った。